変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは前月比0.1%上昇し、18年8月以来の小幅な伸びだった。市場予想は0.2%上昇だった。前月まで5カ月連続で0.2%上昇していた。2月の前年同月比は2.1%上昇。前月まで3カ月連続で2.2%上昇だった。
米連邦準備理事会(FRB)は物価目標を2%としている。FRBが物価の目安として注目する個人消費支出(PCE)物価のコア指数は18年11月と12月に1.9%上昇した。18年3月は、12年4月以来初めて2.0%上昇した。 労働市場の引き締まりで賃金が上がっているものの、米国内と世界経済の成長がともに鈍化する中、物価の上昇は抑制されている。2月の賃金の伸びは前年同月比3.4%増と、09年4月以来の大幅な伸びとなった。1月は3.1%増だった。 キャピタル・エコノミクス(トロント)の首席米国エコノミスト、ポール・アシュワース氏は「生産性の伸びが控えめながら加速して、単位労働コストを抑えたほか、ドル高で輸入物価に下向きの圧力が掛かりだしたことなどが要因」と話す。FRBのパウエル議長は10日、米CBSテレビのインタビューで、年内の金利政策について様子見姿勢をとる旨を再度主張した。金利変更を「急ぐいかなる必要性も感じていない」と表明した。
ムーディーズ・アナリティクス(ペンシルベニア州)のシニアエコノミスト、ライアン・スウィート氏は「国内経済の鈍化ペースが想定以上となる中、インフレ見通しは下触れるリスクがある」「FRBは予見可能な将来、様子見の姿勢をとるだろう」と話した。帰属家賃は2カ月連続で0.3%上昇した。衣料は0.3%上昇。前月は1.1%上昇していた。自動車保険や航空費、家庭用雑貨、日用品も値上がりした。一部エコノミストは、医療や自動車は変動が大きくなる傾向があるとして下落は一時的と分析、向こう数カ月間でコアCPIは上向くと見通した。