明日は米消費者物価指数(CPI)発表。9月20~21日には、いよいよ米連邦公開市場委員会(FOMC)。既に、米連邦準備理事会(FRB)高官が情報発信を控えるブラックアウト期間入りしている。そこで、先週は、パウエル議長はじめ、FOMC参加者の公的発言が駆け込み的に続いた。例えば、インフレ指標上昇がさらに加速すれば、来年早々にも4%をかなり超える水準にまで政策金利を引き上げる可能性が高い。逆に、減速が顕著になれば、4%以下の水準で利上げに終止符が打たれよう。この「4%」が、マジックナンバーのごとくFOMC内では意識されている。さらに、インフレ指標の継続的改善、あるいは悪化が認められることが最終判断基準だ。1回や2回、上振れ、下振れしても、統計的「外れ値」あるいは「ノイズ」として処理されよう。対して、市場はPCEインフレ率よりCPIに強く反応するので注意を要する。短期の売買益を取りに動くヘッジファンドが、CPIを特にはやす傾向があるので、要注意だ。なお、明日発表のCPIだが、ここ2か月では年率9.1%、8.
なお、米経済が2四半期連続してマイナス成長を記録したので、「リセッション入り」の定義を満たすと議論されることについて、FRBは明確に、米経済は強く底堅いと反論している。副作用の景気後退も、強い労働市場が緩衝剤となり、耐えうるとの見解を崩さない。が「永遠のハト」とすれば、FRBでは今や「ハトが絶滅危惧種」といえよう。 なお、米利上げ継続を前提にドル買いトレードが依然根強い。買っては売りを繰り返してきた。利益確定のドル売りも随所にみられるので、ドル安局面も頻繁に生じるが、下がったところは、ジリジリ買い直される。ドル買いに対して、ユーロ売りも目立つが、依然、円が売りの標的となる場面が多い。欧州中央銀行(ECB)の利上げはスタグフレーションのリスクをはらむ苦渋の選択だが、次の一手が読みにくい。やはり、一貫した緩和姿勢を崩さぬ日銀の姿勢が、円売りの安心感を醸成している。豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
いや、5%は超える