【釜山=時吉達也】韓国の秋の味覚を代表する海水魚コノシロ(コハダ)が旬を迎え、各地で開催される出荷祭りの「活況」が報じられている。8月24日に東京電力福島第1原発の処理水放出が開始されて以降、当初懸念されていた水産物消費に対する拒否反応などは生じていないのか。南部釜山の会場を訪ね、参加者らに話を聞いた。
「秋のコノシロは家出した嫁も引き戻す」。そんなことわざにも合点がいくほど、20年以上多くの観光客を呼び込んできた釜山・鳴旨(ミョンジ)市場の「鳴旨コノシロ祭り」。祭り2日目の8月30日、昼食の時間を迎えると、脂の乗ったコノシロにたっぷりのコチュジャンをかけた丼の無料提供ブースに長蛇の列ができた。活気が感じられる中でも、周辺食堂では「新型コロナウイルスの流行前に比べれば、客足は鈍い」(店主の鄭容周=チョン・ヨンジュ=さん)とため息が絶えない。祭りの主催委員会によると、参加者は過去の1日約1万人から、今回は5千人程度に半減しているという。 9歳と11歳の子供を連れて会場を訪れた主婦(42)は「汚染水の影響が出るまで『あと100日』とネットで見たので、祭りに来るのは今回が最後」と険しい表情。偽ニュースがはびこり、処理水の安全性に理解が広がっていない現状も浮かび上がった。24日の処理水放出開始は韓国国内の水産物消費に一定の影響を与えつつも、大規模な抗議活動には発展しないもようだ。世論調査会社リアルメーターが4日に発表した調査結果では、政権支持率は放出前の前々週調査との比較で0・2ポイントの微減。同社担当者は、食品安全をめぐる過去の風評被害に対する学習効果から、処理水問題は「支持率変化に大きな影響を及ぼさなかった」と結論付けた。
世論の反応を受け、韓国メディアでも処理水の危険性を強調する報道は勢いを失いつつある。ある革新系紙では、放出開始直前の23日に「放出を容認する尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の対日姿勢批判を維持しつつ、食品安全の恐怖をあおる報道は自制する」との編集方針が内部通達されたという。こうした中でも、最大野党「共に民主党」では党代表がハンガーストライキを展開するなど、処理水放出への強硬な反対運動を維持する。しかし、韓国ギャラップが1日に発表した世論調査では、同党支持率が前週から5ポイント減の27%となり、尹政権発足以来最低を記録。党関係者は「戦略を見誤った」と嘆く。
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