まぶしかった夏空もいつの間にか穏やかさを取り戻してきたようです。赤や黄色や緑といった原色が似合う澄んだ空を見上げると、ぽこぽこと小さい雲のかたまりがさざ波のように連なって広がっています。「あ、鰯雲だ! 秋が来たなぁ」としみじみと思います。中国から来た考え方にすべてのものを陰と陽、相反する二つに分けるものがありますが、太陽の日ざしが穏やかになりまさに陽から陰への変化を感じられる境目がちょうど今頃。陰の極まる冬至へ、この雄大な天地の動きを静かに感じられるのも、10月の気候の穏やかさのおかげかもしれません。秋の風は色がないといって「色無き風」や「白秋」と表します。木々の葉もひと雨ごとに色を変え秋の色へと変わっていくとき、吹く風に色をつけない日本人の色彩感覚のこまやかさに、あらためて気づかされます。鰯雲が空に広がると鰯が大漁ともいわれているそうです。最近では庶民の魚からだいぶ値上がりしていますが、大漁であればショウガとともに鰯の煮付けをたっぷりとつくって、食卓を賑わせるのもいいですね。秋の味覚はさまざまあれど、何を一番にあげたいですか?...
中国では菊には不老長寿の効があるとされています。そこから菊からしたたり落ちた水を飲んだ者は長生きをするという「菊の水」の伝説もあります。もう過ぎてしまいましたが9月9日は「重陽の節句」。陽の数つまり奇数の一番大きい9が重なる日のお祝です。この日にお酒に菊の花びらを浮かせて飲み、「菊の水」の伝説になぞらえ長寿と繁栄を祈ったということです。 日本に渡ってきたのは奈良時代といわれていますが、それ以来多くの品種が改良によって生まれました。鑑賞用だけでなくこの時期八百屋さんにも食用の菊が出まわり、お浸しにしていただくこともありますね。夏にお世話になった蚊取り線香も除虫菊という菊の一種が原料となっています。 菊を使ってこしらえ物を作り、和歌を添えて互いに競う「菊合わせ」、菊の花を摘み乾かしたものを枕にして頭痛や目の病に効能があるとした「菊枕」など、菊にまつわるものは大変多くあったようです。現在は温室栽培によって1年を通して仏さまへの供え花として私たちも使っていますが、大輪の菊の華やぎが見られるのは今の季節において他にはないでしょう。チャンスがあれば口に目に、と今年の菊を是非楽しんでいただきたいと思います。
秋は空と天気と花がきれいです。
tenkiサプリ記事、毎回楽しみです 時節柄、季語など、勉強になります
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