(CNN) 計画通りに進めば、同地域は2026年までに白、銀、黒に塗られた工業用の建物と巨大な赤れんが色の塔で埋め尽くされることになる。 数十億ドル規模に及ぶこの複合施設を手掛ける スウェーデン 企業H2グリーンスチールによると、これは世界初の大規模な「グリーンスチール(生産時の二酸化炭素の排出量などを削減した鉄鋼材料)」プロジェクトになるという。 この施設では石炭を燃やす代わりに再生可能な電力で生産される「グリーン水素」を使用することで、従来の製鋼工程に比べて炭素による汚染を95%削減できるという。同社は30年までに500万トンのグリーンスチールを生産することを目指している。 これは鉄鋼業界の改革に向けた新たな一歩だが、この産業を浄化する道のりには困難がつきまとう。 鉄鋼は世界で特に使用されている原材料の一つで、建物や橋、自動車、冷蔵庫から風力タービンなどの再生可能エネルギーインフラまであらゆるものに不可欠だ。世界では毎年20億トン近くが消費されている。...
H2グリーンスチールの他にも、この技術の拡大に取り組んでいる企業がある。スウェーデン北部には、同国鉄鋼大手のSSABが手がける水素還元製鉄技術「ハイブリット(HYBRIT)」を採用したグリーンスチール実証プラントもある。 SSABは21年、顧客である自動車メーカー、ボルボにハイブリットによって製鋼した鋼鉄を納入した。同社はこれを史上初のグリーンスチールと呼んでおり、26年までに商用レベルで生産する計画だ。 しかし専門家によると、この技術の規模拡大は容易ではないという。 非営利団体であるグローバル・エネルギー・モニターの研究者は、グリーンスチールの機運は着実に高まっているが、業界には乗り越えるべき障壁が数多くあると述べた。 米インディアナ州の工場で稼働する電気アーク炉=2018年4月/Daniel Acker/Bloomberg/Getty Images 中でも費用は大きな問題だ。水素を使った製鋼はコストがかさみ、従来の製造方法よりも最大30%高額になるとの推計もあるため、顧客は製品価格の上昇に備える必要がある。...
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脱炭素へグリーンスチール需要拡大 課題は低コスト化 - 日経テックフォーサイトグリーンスチール(グリーン鋼材)は、生産工程からの二酸化炭素(CO₂)排出量を減らした鋼材である。2050年のカーボンニュートラル(炭素中立)の実現に向けて、鉄鋼大手3社が量産体制の確立に向けた取り組みを加速させている。「グリーンスチール」の概要グリーン鋼材の実用化で先行するのは神戸製鋼所である。日産自動車が新型車のボディー骨格に、神戸製鋼が供給する同鋼材の適用を決めた。日産は中型ミニバンの新型「セレナ」からグリーン鋼
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