◇第47回全日本クラブ野球選手権大会第2日 矢場とんブースターズ4―1千曲川硬式野球クラブ(2023年9月3日 三条パール金属スタジアム)
2球場で準々決勝と準決勝の計6試合が行われた。2日に大会初勝利を挙げた矢場とんブースターズ(東海)は九谷瑠投手(23)が準々決勝でマツゲン箕島硬式野球部(近畿)を1失点完投すると、準決勝も西浦貴志投手(26)が1失点完投で千曲川硬式野球クラブ(北信越)を4―1で撃破。4日の決勝は同じく初めて決勝に進出したショウワコーポレーション(中国・四国)と初優勝を懸けて対戦する。 西浦の目から涙がこぼれた。9回2死、代打・花岡を左飛に仕留め130球を1人で投げ抜くと、熱いものが頬を伝わった。「試合前から緊張して、重圧も徐々にしんどくなったけど…。自分の力で勝つしかないと信じて投げました」。創部8年目で初の決勝進出。仲間の笑顔を確認すると、感極まった。
リベンジも果たした。昨春のJABA富山大会1回戦。1―0の8回、西浦は3番・豊田に逆転3ランを浴び、チームも敗れたが、この日は豊田を4打数無安打に封じ込めた。「入社5年目で成長しましたから。西浦と心中するつもりでした」。秦広明監督も目を細めた。「大人になったと思います。力任せの投球でミスはなくなりました」。クラブチーム日本一を懸けた大一番も西浦が冷静に投げ抜く。(伊藤 幸男) <千曲川硬式野球クラブ 決勝逃すも井崎6回2/3零封収穫>千曲川硬式野球クラブは相手を上回る9安打も決定打不足に泣き、2年ぶりの決勝進出を逃した。「1、2回の4失点が痛かった」と平林竜也監督。収穫は2回途中から救援した2番手・井崎が6回2/3を1安打無失点に抑えたこと、準々決勝ではチームとして大和高田クラブから初勝利を挙げたことの2点。「また出直しです」と敗軍の将は話した。
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