ヒマラヤの迫力を特大の写真で体感してほしい――。群馬県嬬恋村の元村職員、佐藤重雄さん(68)=同村=が、高崎市でユニークな写真展を開く計画を立てている。ネパールの標高5000メートル付近で咲き乱れる高山植物や、「世界の屋根」と呼ばれるヒマラヤの山々を撮影した写真を、一辺1メートルを超える巨大サイズで紹介するものだ。
ヒマラヤ山脈はネパールと中国・チベット自治区の境界に位置し、世界最高峰のエベレスト(8848メートル)やカンチェンジュンガ(8586メートル)、マナスル(8163メートル)など、標高7000〜8000メートル級の峰が連なる。 佐藤さんは1999年、ネパールに通い始めた。若い頃は国内で高山植物を撮影していたが、45歳からは中国など海外へ足を運んだ。その際、「ネパールの高山に、珍しい青いケシの花が咲く」と聞き、関心を持つようになった。 「メコノプシス・ホリドゥラ」という種で、4000メートルを超える高地で生息する。ただし、開花するのは雨期の7月。天候不順で国内線の欠航が多く、1カ月程度の日程が必要だ。公務員時代は難しいため、最初は下見を兼ねて冬に訪れた。そこで見たヒマラヤの山々のスケールの大きさに驚き、魅了された。
定年退職後の2016年、ようやく念願の夏に訪れ、青いケシと対面した。4800メートルで見つけた青い花は、花びらがガラス細工のように透き通っていた。感動のあまり、無心でシャッターを押した。ただ、一部が枯れていたり花が開く前だったりしたため、満足な写真を撮れるまで、5年も通い続けたという。写真展は4年前から開催しているが、一辺数十センチの一般的なサイズだった。それではヒマラヤの山の迫力や魅力が伝わらないと感じ、一辺1メートル超の大判写真による展覧会を企画した。展覧会の資金を集めるクラウドファンディング(https://motion−gallery.net/projects/Himalayan5/updates)も実施している。佐藤さんは「展覧会は、ネパールでの撮影活動25年の集大成。多くの人にヒマラヤの魅力を伝えたい」と話している。【永山悦子】
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