グラム氏の案によれば、トルコは米国の反対を押し切ってロシア製ミサイル防衛システム「S400」を購入した件を巡っても、幅広い制裁を科される可能性がある。10月11日、写真はトルコの攻撃に抗議するシリアのクルド人。イラクの国連施設前で10日撮影(2019年 ロイター/Azad Lashkari)
コメルツバンク(フランクフルト)のFX調査責任者、ウルリッヒ・ロイヒトマン氏は、より幅広い制裁を科されれば「トルコ経済の景色は一変し、昨年の危機で脆弱になった経済がまた景気後退に陥る可能性も覚悟せざるを得ない」と言う。トランプ氏は今週、トルコがシリア問題で一線を超えればトルコ経済を「壊滅」させると述べたが、その真意は明らかにしておらず、同氏が制裁を支持するかどうかも分からない。リラは昨年30%近くも下落した。今週に入ってからは3%超下がり、1ドル=5.90リラに近付いている。トレーダーによると、どの水準まで下がれば国有銀行が介入を始めるかは不明だ。トルコの上級バンカーは「米国との関係は重要な懸案事項だが、まだ予想がつかない」と述べ、米国でエルドアン氏とトランプ氏の会談が予定されている11月13日までは少なくとも、懸念が続くとの見方を示した。10月11日、写真はトルコリラ紙幣。3月29日、イスタンブールで撮影(2019年 ロイター/Murad...
オックスフォード大の客員講師、ガリップ・ダレー氏は「目下、トルコの民族主義熱はうなぎ上りだ」と指摘。米議会が制裁を承認すれば、「アンカラの市民は(ミサイル防衛システムを購入して)ロシアに近付いた決断は正しかった、自分たちにトランプ氏は同情的だが、ワシントンの他の支配者層である米議会は敵対的だと確信するだろう」との見方を示した。
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