震災発生から10年を迎えた11日正午、東松島市大曲浜の大曲浜玉造神社前に集まった約50人を前に、健人さんが「今年もプロジェクト始めます」と宣言すると、地元の住民や健人さんの高校の後輩、震災後に出会った支援者たちが散らばって慣れた手つきでこいのぼりをロープにくくりつけ、1時間ほどで空に泳がせた。全体の進み具合を見て回っていた健人さんも仲間たちと自然に談笑し、再会を喜び合っていた。発生時刻に黙とうをささげると、こいのぼりの下で太鼓の演奏を響かせ、亡くなった人たちを悼んだ。
健人さんは2011年3月11日の震災で母智香さん（同45歳）、末弟の律さん、祖父母を津波で失った。津波がひいた後、全壊した自宅の庭で見つけたのが、律さんが毎年楽しみにしていた青いこいのぼりだった。知人にその話をすると、「律君や亡くなった子どもたちに、たくさんのこいのぼりを見せよう」と提案された。青いこいのぼりの提供をインターネット上で呼び掛けると、全国から200匹近く集まった。その年の5月5日、自宅跡地の空に泳がせたのを始まりに、以来、思いを同じくする仲間と協力して「青い鯉（こい）のぼりプロジェクト」として「こどもの日」や3月11日に掲げてきた。
■「トモダチ作戦」東電を訴えた米兵はどれほど被ばくしたのか？ 「重篤な病気が福島県周辺でも増えているという報告は聞かない」 「米軍関係者が原発周辺の陸上にいた人たちよりも深刻な被ばくをしたというのは考え難い」 週刊現代（講談社）2017.9.13（山田敏弘）
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