単勝8番人気の ピューロマジック (牝、安田翔)が8枠17番も何のその、好スタートからハナを奪い、持ち前のスピードで押し切った。走破タイムの1分7秒1は昨年のモズメイメイに並ぶレースレコード。重賞初制覇で、スプリント路線に新たなヒロインが誕生した。春の3歳短距離NO・1に輝いたのは、8番人気の伏兵 ピューロマジック だった。ゲートが開くと、抜群のダッシュであっという間に1馬身抜け出し、難なくラチ沿いを取って逃げることに成功。この時点で8枠17番の不利はなくなった。「真面目すぎるぐらい真面目。本当にいいスピードを持っていて、真面目すぎるのも武器なので」と横山和騎手。馬の気持ちを尊重し、持ち味を存分に生かす騎乗に徹した。
前半3ハロン33秒2はオープン時代も含めた葵S史上最速タイ。しかし、ピューロマジックにはマイペースだった。今の京都芝は簡単に前が止まらないこともあり、後続の追い上げを楽々と封じ込んだ。1分7秒1はレースレコードタイ。「もうちょっとフワッと、リラックスして走れればもっといい内容で走れると思います」。今でも十分に速いが、鞍上はさらに強くなる可能性も感じていた。 3月に解散した安田隆厩舎からの転厩馬。安田翔師は「定年前だからとムチャ使いしてないおかげもあります」。父子の見事な連携も快速披露につながった。この後は「気持ちのリセットをはかって、体の様子をみて」(同師)からになるが、夏のスプリント重賞を視野に入れる。【明神理浩】
◆ピューロマジック ▽父 アジアエクスプレス▽母 メジェルダ(ディープインパクト)▽牝3▽馬主 (株)スリーエイチレーシング▽調教師 安田翔伍(栗東)▽生産者 村田牧場(北海道新冠町)▽戦績 8戦3勝▽総獲得賞金 6876万6000円▽馬名の由来 聖なる、純粋な(西)+可能にすること
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