コメント力抜群の「カメレオン島内」が大当たりだ。楽天島内宏明外野手(30)が3安打2打点と躍動し、チームのリーグ10勝一番乗り、単独首位浮上をもたらした。試合中、活躍した際に球団広報から配信されるコメントが「おもしろい!」とファンの間で話題に。さまざまな理論を取り入れた独特のフォームで雨を物ともせず、ここ5試合で20打数11安打、打率5割5分と絶好調だ。2、3日前のこと。島内は父宏史さんから「調子どうや!」と電話をもらった。「(打撃の)調子が悪すぎて、珍しく電話がかかってきました」。中学まで野球経験のある父から、トスを上げてもらった幼少期の記憶も掘り起こされた。「けっこう心配してくれたので打てて良かったです」。
不調がうそのように、打ちまくる。今季は浅村の後ろの5番を主に務める。一時、打率1割5分4厘まで落ちたが、今カードの打率は5割5分と右肩上がり。「(5番に)重圧はありますけど、去年は4番で調子が悪い時もあった」と全打順本塁打を記録した昨季の経験も糧にする。「同じフォームで1年通してなかなか戦えない」と金森打撃コーチをはじめ後輩の内田、山崎幹ら“師匠”から学び得た変幻自在「カメレオン」打法で、梅雨時の悪条件も気にしない。「僕のおばあちゃん、お母さんもいつも応援してくれているので得点圏で打てて良かったです。見てるか!お母さん!(真顔で)」。 4年ほど前のこと。広報から試合中にコメントを求められた時に思った。「コメントを出してもあまり(メディアに)出ない。普通のことを言っても出ないならちょっとおもしろいことを言おうかなと」。時に直感、時に熟考。趣向を凝らしたコメントにファンは「おもしろすぎる」と沸く。「『何言ってるの?』とも言われる。でも見てくれているということ。もっともっと活躍していいコメントなり、悪いコメントなりを残していきたい」と島内。次が楽しみになる。【桑原幹久】
◆島内宏明(しまうち・ひろあき)1990年(平2)2月2日生まれ、石川県出身。星稜3年の夏、主将としてエース高木京介(現巨人)らと甲子園出場。明大4年時は春秋連続でベストナイン。11年ドラフト6位で楽天入団。昨年4月20日オリックス戦で4番初アーチを放ち、史上11人目の全打順本塁打を達成。180センチ、75キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸1億円。 ▼島内が好調の要因は、広報配信コメントにちりばめられている。前日3日ロッテ戦で1号ソロを放った際は「今日から登場曲を変えて心機一転。スリラー(マイケル・ジャクソン)打法です(淡々と)」とコメント。足立が鼻歌で歌っていたことから「気持ちを新たに打席に入りたいなと。『俺、それにするわ』と大した理由はないです」と直感で空気を変えた。同11日(オープン戦西武戦3回バックスクリーンへの先制3ラン)「1打席目はミスショットして捉えられませんでした。(悔しそうに)2打席目は金森式で内からぎゅっとバットを出す意識でボールを捉えることができました」(笑いながら)同3日(練習試合DeNA戦1回先制2ラン)「打順が上位でド緊張ですが明治魂です」(ニコ)同20日(オリックス戦4回右前適時打)「毎年開幕の時に星稜の山下総監督から『頑張れ』というお言葉をいただいているので。星稜魂です」(真剣な表情で)Sponsored
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