頭弁論が２８日、東京地裁で開かれた。松本は出廷しなかった。文春側は「複数の女性が受けた同意のない性的行為は真実」と請求棄却を求めた。閉廷後、原告の松本側と被告の文春側の弁護士が取材に応じ、「記事化した女性２人の氏名などの特定」を巡り真っ向から対立した。主張が真っ向から対立した松本と文春。レイ法律事務所の河西邦剛弁護士は「まず感じたのは、文春側がかなり強気だということ」と感想を漏らした。「同意のない性的行為は真実、と言い切っている。『真実相当性』とかではなく『真実そのもの』を争うつもりなんですよ」と河西氏。「つまり文春はかなり自信を持っている」と読み解いた。
松本側は、記事化した女性２人の氏名などが分からないと認否を明らかにできないとし、一方の文春側は回答を拒否した。河西氏は、このやりとりにも着目。「松本さん側の主張は当然。相手が特定できないと、認否しようがない」としたうえで「これは文春側が先制パンチのジャブを打った、と考えていい」と解説した。「文春側は『松本さんが事実無根と言っているんだから、女性個々の情報なんて必要ないでしょ』という理屈。『記事の通りに多数の女性に同様の行為をしているから、そんなことを言い出した』とけん制している」と説明。「平たく言うと、一種の嫌がらせですね」とも付け加えた。 今後については「文春側は、女性２人のいずれかが裁判で証言することが必須。松本さんの反論の証言と照らし合わせ、どちらを信用できるかを判断していく裁判になる」。１審の判決までは１年半ほどかかると予測し「実は事案の内容としては数分間の出来事を争う単純な話。これでも、ほかの民事裁判よりは短いと思いますよ」と述べた。
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