そこで、あとだしジャンケンにならぬように、ぼくの考えを早いところ書いていきます。それと併せて「最近になってこの連載を読みはじめた」という方のために、今一度記事の方針をお断りしておきたいと思います。ただし、研究者ならこういうふうに考えるんじゃないかな、という視点を紹介するのも、また有意義でしょう。それを以て、ドラマの理解をより面白くしたい、みなさんとドラマを楽しみたいと願っている。つまりはそういうことです。今回の数正の行動でいうと、これからは豊臣の天下だと推測しているところに、当の秀吉から「うちに来ないか」と誘われた。そりゃ行くさ、というものです。そこへ、最近つきあいが始まった大手企業から、「私たちは貴方の手腕を高く評価しています。貴方は環境が変われば、より一層の活躍が可能な方だ。ウチに来て、新しい貴方のパフォーマンスを模索してみませんか」なんて言われたら…。数正が豊臣家に奔ったのは、徳川家よりも豊臣家の方が魅力的だったから。それに尽きると思いますね。難しく考えることは、なんにもない。この若者は大友家の部将として、立花山城に籠もり、商都・博多を島津家の攻撃から守り抜きました。島津氏を降伏
そこで、あとだしジャンケンにならぬように、ぼくの考えを早いところ書いていきます。それと併せて「最近になってこの連載を読みはじめた」という方のために、今一度記事の方針をお断りしておきたいと思います。ただし、研究者ならこういうふうに考えるんじゃないかな、という視点を紹介するのも、また有意義でしょう。それを以て、ドラマの理解をより面白くしたい、みなさんとドラマを楽しみたいと願っている。つまりはそういうことです。今回の数正の行動でいうと、これからは豊臣の天下だと推測しているところに、当の秀吉から「うちに来ないか」と誘われた。そりゃ行くさ、というものです。そこへ、最近つきあいが始まった大手企業から、「私たちは貴方の手腕を高く評価しています。貴方は環境が変われば、より一層の活躍が可能な方だ。ウチに来て、新しい貴方のパフォーマンスを模索してみませんか」なんて言われたら…。数正が豊臣家に奔ったのは、徳川家よりも豊臣家の方が魅力的だったから。それに尽きると思いますね。難しく考えることは、なんにもない。この若者は大友家の部将として、立花山城に籠もり、商都・博多を島津家の攻撃から守り抜きました。島津氏を降伏させた後、秀吉は「天晴れなやつだ!」と宗茂を大友家から引き抜き、豊臣家の直臣にして、筑後・柳川12万石を与えました。島津家では伊集院忠棟が豊臣政権に重用されて、日向国の庄内の地で8万石。豊臣家と島津家に両属するようなかたちになりました。
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