膨大な量のジャンルやコンテンツから自分に合った本をアルゴリズムによって推薦してもらえるのは便利ですが、エッセイストで書籍推薦のセミプロとしても長年活躍するクライツマン氏は、本の推薦に関してはアルゴリズムよりも人間の方が「常に優れている」と指摘しています。
クライツマン氏は、本の推薦がアルゴリズムだと難しいとする理由について、「本に求めているものは、本に備わっている定量化できない属性です」と述べています。アルゴリズムは、本のジャンルや専門分野、物語のプロットやメタデータなどを含めて、特定のユーザーが気に入った本と近い要素を持った本を薦めることができます。しかし、実際に本を読んだときの「この本が好き/好きではない」という感覚は、文章の語り口や単語選び、リズム、哲学的見解や楽しさ・悲しさの温度感など、数値化できないところにあることが多いです。例えば、「夢中になれる、それでいてムダがないスマートな小説」と希望を伝えられた場合、「強力に構築されたプロットを備えており、活気に満ちていながら完璧に構成された文学小説」としてオススメを考えるそうです。「夢中になれる、ワクワクする」「ムダがなくスマートな構成」といった感覚は、ジャンルやメタデータからは判別が難しく、アルゴリズムは苦手としています。
また、同じようにアルゴリズムで定量的に判断が難しいのは「楽しい」「悲しい」といった感覚。どんなに楽しい本でもストーリーの起伏で少しは悪いことが起こるもので、どんなに悲しい本でもいっときの楽しい時間はあるもの。そのため、本全体を通して「楽しい本」「悲しい本」となるのは、作品の「トーン」が重要です。このようなトーンがメタデータとして含まれていることはあまりないため、アルゴリズムは楽しさを理由に推薦することが難しいですが、読んだほとんどの人にトーンは伝わるため、「これは楽しい本だからオススメ」と推薦しやすい判断基準だと言えます。 そのほか、「この作者の本が好きなら、次はこちらの作者の本もオススメ」というように、道を示すことも人間の推薦者はしばしば行います。小説の場合もノンフィクションや専門書の場合も、文章のトーンや難解さ、ユーモアのセンスなどがある程度作者ごとに一貫しており、「この作者が好きなら次はこれを試してほしい」「この作者が苦手だったらこっちが読みやすいかも」というようにたどっていくことができます。目的としては「この本を読んだ購入者はこれも読んでいます」というアルゴリズムに近いですが、人間の推薦者の場合はより密接に、好みのタイプやトーンに合わせた推薦をすることができます。
クライツマン氏はインターネットを通じてオススメの本を相談されることが多く、セミプロとして相談内容を分析した上で推薦する内容を考えてきましたが、推薦は必ずしもプロに頼る必要はありません。自分と同じ作品を読んだことがある知り合いや本をレビューするブログでオススメを聞いてみるのも有効なほか、ショートムービー共有SNSのTikTokでは「オススメの本を紹介する動画」である「BookTok」というジャンルがブームになり、「BookTok」によってベストセラーが生まれたケースも確認されています。
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。
ソース: PRTIMES_JP - 🏆 114. / 51 続きを読む »
ソース: PRTIMES_LIFE - 🏆 39. / 63 続きを読む »
ソース: PRTIMES_LIFE - 🏆 39. / 63 続きを読む »
ソース: PRTIMES_LIFE - 🏆 39. / 63 続きを読む »
ソース: shunkannews - 🏆 17. / 63 続きを読む »
ソース: PRTIMES_JP - 🏆 114. / 51 続きを読む »