子供の頃からスケートボードをやっていたので、スニーカーは大好きだ。スニーカーはスケボー文化の一部。最初に自分で買った一足は今でも覚えている。エス・フットウエアのネイビーと黄色のスニーカーで、学校に履いていくとみんなが見とれた。
ディズニーで働くことを夢見てアニメーションを勉強したが、いざアニメの世界に入ると、仕事はフリーランスで安定しない。そんな2009年のある日、おじから自分のところで働かないかと誘われた。おじは面白い人だが、靴の販売業をしていることはそれまで知らなかった。その後、別のアパレル企業で7年間働くうちに、この会社が作るスニーカーのソールは、全てエチレン酢酸ビニルか熱可塑性ポリウレタンで出来ているのを知った。要はプラスチックだ。 世界では1年に200億足以上の靴が生産され、その大半が最後はゴミ処理場の山に行く。この現状を変えたい気持ちから、スニーカーブランド「ジョニー」を立ち上げた。どんな服装にも合い、見た目もクールで、100%土に返る靴を僕は作りたい。
僕にとってスニーカーは文化の象徴だし、毎日履くものだ。2年半ほど前に試作を始め、見本を完成させた。ソールにリンゴの種を仕込むアイデアは、車の運転中にひらめいた。スニーカーを生分解で土に返すなら、そこから木が育つようにしたらどうか。誤解されがちだが、履いているうちにスニーカーが腐食しボロボロになるわけではない。地中で長期間湿気と圧力にさらされなければ、物質は分解されない。だから安心して履いてほしい。第三者の調査によると、ジョニーは18カ月で53%、3年で完全に分解されるとのことだった。
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