ＩＴＥＲ建設と並行し、米国などでは核融合技術開発を推進する政府の意向を受け、新興企業の開発投資が急拡大している。２０２８年の発電開始を掲げる企業もある。米核融合産業協会によると、昨年までの世界全体の核融合への投資額は６２億ドル（約９４００億円）に達し、前年より増えた。世界的に開発競争が激化する中、日米両政府は戦略的な協力関係を構築し、産学官連携を深化させて技術開発を進める効果が大きいと判断した。具体的には、両国の開発施設の相互利用や人材交流を進め、サプライチェーン（部品供給網）の構築で連携する。米国は昨年１１月に英国とも同様に合意している。一方、米国は昨年１２月に公表した核融合開発の基本方針で国際協力を重要視する姿勢を示した。複数の日米関係筋は「米国は日本との協力強化に強い関心を持っていた」と明かす。エネルギー資源に乏しい日本にとって、核融合はまさに夢のエネルギーだ。米国との連携を契機に、実用化を見据えた一層の取り組みが求められる。（ワシントン支局...
ＩＴＥＲ建設と並行し、米国などでは核融合技術開発を推進する政府の意向を受け、新興企業の開発投資が急拡大している。２０２８年の発電開始を掲げる企業もある。米核融合産業協会によると、昨年までの世界全体の核融合への投資額は６２億ドル（約９４００億円）に達し、前年より増えた。世界的に開発競争が激化する中、日米両政府は戦略的な協力関係を構築し、産学官連携を深化させて技術開発を進める効果が大きいと判断した。具体的には、両国の開発施設の相互利用や人材交流を進め、サプライチェーン（部品供給網）の構築で連携する。米国は昨年１１月に英国とも同様に合意している。一方、米国は昨年１２月に公表した核融合開発の基本方針で国際協力を重要視する姿勢を示した。複数の日米関係筋は「米国は日本との協力強化に強い関心を持っていた」と明かす。エネルギー資源に乏しい日本にとって、核融合はまさに夢のエネルギーだ。米国との連携を契機に、実用化を見据えた一層の取り組みが求められる。（ワシントン支局 冨山優介）＝原子の中心にある原子核同士を高温高圧の状態にして融合させる反応。１グラムの燃料で石油８トン分のエネルギーを生み出すとされ、実用化は「地上に太陽を作る」とも例えられる。燃料に使うのは重水素や三重水素で、地球上に偏りなく豊富に存在する。
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