旅客機のシステム設計は戦闘機に比べても複雑とされ、今後の型式証明の取得でもこうしたノウハウが欠かせないという。戦闘機の開発をしながら自ら旅客機のプロジェクトにも手を上げていた。16年に三菱航空機に移った後も米国の試験飛行拠点の副センター長として、型式証明を取得するための試験を現場で指揮してきた。
ベラミー氏の招聘(しょうへい)は三菱重工の当時の社長だった宮永俊一会長の肝煎りだった。 100万点に及ぶ部品の調達や工程管理、度重なる設計変更――。三菱重工がこれまでに経験してきた米ボーイングなどから部品を受注する部品メーカーの発想ではコストや工程などの管理に限界があった。だが、外国の人材が膨らむにつれ、「主流派」から転落した日本人技術者とのあつれきは深まった。ある三菱航空機関係者は「中間管理職を中抜きして直接トップと談判する仕事ぶりなどが日本人技術者の反感を買った」と打ち明ける。
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