おかえり——。そう仲間から笑顔で迎えられると、 日本ハム ・池田の視界が涙でぼやけた。今春のキャンプで発症した右肘痛を乗り越え、ようやくたどり着いた今季初の1軍 マウンド 。復活を喜ぶファンの歓声を浴びながら マウンド を降りると、あふれる感情を抑えきれなかった。この日に1軍初昇格し、4点リードの8回から3番手で登板。先頭の佐藤都を左飛に打ち取れば、続く上田は三ゴロに仕留め、最後は高部を空振り三振で締めた。この日最速151キロの直球を主体に1回完全投球。新庄監督も「今日はどの点差でも、8回は池田君に任せようと思っていた。責任感が強い投手なので、僕もうるっと来ました」と、目を細めた。
昨季はチーム最多の51試合登板、同25ホールドをマーク。今季も「8回の男」として期待されたが、キャンプ終盤に右肘に激痛が走った。キャンプ後はノースローで、千葉・鎌ケ谷の2軍施設でリハビリに専念。その間にチームは開幕するも、何もできない自分に焦りと責任を感じていた。(51)だった。22年の春季キャンプで臨時コーチを務めた縁で、トレーニング学を学ぶ間柄。リハビリ期間中には「今は少し休みなさいということだよ」と、気分転換にドライブに誘ってもらい、夜の都内を運転しながら相談にも乗ってくれた。 新庄監督もSNSのダイレクトメッセージ(DM)を通じ、右肘のストレッチ動画を送ってくれた。多くの人に支えられて、苦しいリハビリ期間を乗り越えられただけに、池田は「しんどいなと思っている時に連絡をくれる。なんとか戻って良い結果を出したいと思っていた。実際、難しい部分もあったが、今日結果を出せて良かったです」と感謝した。
チームも連敗を5でストップし、再スタートとなる貯金1。「ちょっとまだ(球が)浮いている部分があったが、登板を重ねていけば大丈夫かなと思います」。チームの再出発と同時に、3カ月遅れで池田の24年シーズンが“開幕”した。(清藤 駿太)
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