なでしこ 対決となったPKで藤野がど真ん中に決めた。1―1の後半43分、新潟GK平尾知佳と対峙した。「絶対に入れなきゃいけないところで、右か左に蹴ると、弾かれたときに絶対相手が触りやすい。真ん中だったら知佳さんが動かなくても、それなりのスピードで蹴れば自分のところにこぼれてくると思っていた。そこはセカンドのリスクも含めて真ん中に蹴ろうと、ボールをもらった時点で決めていました」と右足で力強くシュートした。
一方、対面していた平尾は代表の練習でも、何度も藤野のシュートやPKを受け止めてきた。「(藤野は)ストレートを武器としていて、右にくると思っていました。あおば自身は、ど真ん中を打てるだけの肝が据わっている。PKだったら真ん中が一番嫌なので。そういうところが駆け引きで負けたという感じです」。右に飛んだ平尾のわずかに残った左手をはじき、ボールはゴールネットに突き刺さった。 2月パリ五輪最終予選の北朝鮮戦で決勝ゴールを決めた。そして、男子のU―23日本代表もパリ切符をつかんだ。初戦の中国戦で10人で戦い抜いて勝ちきったことに「一人少ない状況で負けない。やっている側からしたら、暑さもあってすごくしんどいはず。(DF西尾が退場した)時間帯もそれなりに早くて、戦い方もすごく難しいところだと思ったので、すごいなと思いました」とチーム力が勉強になった様子だ。
男女ともにアジア予選を突破して五輪に挑むのは、女子が銀メダルを獲得した12年のロンドン大会以来となる。「刺激を受けながら、自分も招集されれば頑張らなければいけない。目指しているところは同じところだと思うので、そこはいい刺激をもらいながら、逆に与えられたらいいなと思います」と切磋琢磨(せっさたくま)を誓っていた。
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