ボクシングの4大世界戦が6日、東京ドームで行われ、セミファイルのWBO世界バンタム級タイトルマッチは挑戦者の武居由樹(27=大橋)が王者のジェーソン・モロニー(33=オーストラリア)を判定で破り、世界戦初挑戦でベルトを奪取した。21年に立ち技 格闘技 のK―1から転向した武居は日本人初のK―1とボクシングでの世界王者となった。また、この勝利で通算100人目の日本ジム所属の男子世界王者となった。「なんとかギリギリ勝つことができました。ありがとうございました。本当に、やっぱ入場した時から凄い人がたくさんいて、歓声も凄かったので本当にパワーになりましたね」と、声援を送ってくれたファンに感謝した。
1回から積極的に前に出たが、2回に左ボディーがローブローを取られ減点。それでもひるむことなく仕掛け続け、4回には右アッパーを食らった相手が鼻から出血。6回終盤には右ジャブ、左ボディー、右フックを打ち込みモロニーをぐらつかせた。 しかし、最終12回にはモロニ―が攻勢に出た。連打を浴びた武居は体がふらつく場面もあったが、何とかしのいだ。会見に同席した大橋会長は「内緒にしていたが、実は尚弥と武居でスパーをやって(武居が)コテンパンにやられて、ダメかと思った。最終12ラウンドみたいになったので、あれがいい経験になって、あれでチャンピオンになれたと思う」と秘話を明かした。武居も「モロニー選手の気持ちが強くて、ああいう展開になっちゃったけど、頭の中は冷静で、何か(現役時代に激闘王と呼ばれたトレーナーの)八重樫さんの試合みたいだと思いながら試合してましたね」と振り返った。
デビューから9戦でのベルト奪取は日本人6位タイのスピード記録。持てる力を出し尽くし、試合後はリング上で男泣きした。「自分の古巣のキックボクシングジムの子供たちも、キックボクシングジムにいるんですけど、将来はボクシングの世界チャンピオンになりたいという子がたくさんいて、そういう道を切り開けたのは自分にとってよかったと思うので、今回勝てて本当によかったなと思います」と万感の思いに浸った。
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