選手と、“プロレス王”の異名を持つ鈴木みのる選手が、最高速度285キロの新幹線車内で熱い戦いを繰り広げた様子は、国内のニュース番組だけではなく、ABCニュースやBBCニュースなど世界中のメディアで取り上げられるほどの大反響を呼びました。●「貸切車両パッケージ」だからこそ実現できた世紀の一戦—— 開催前から75席のチケットが30分で完売するなど、プロレスファンの方の期待値も高かったようですが、JR東海さんはこの反響の大きさをどのように受け止めていますか?
JR東海担当者(以下、JR東海) 率直に驚きました。本イベントはJR東海とJTBさんで展開している「貸切車両パッケージ」だからこそ実現できたものだと考えていますが、このサービスのポテンシャル・可能性をあらためて感じることができました。高木 そうなんです。たまたまJR東海さんのニュースで見て、すぐに「#新幹線プロレス」というハッシュタグを作ってTwitter(現・X)でつぶやいたことがきっかけでした。それからすぐにJTBさんに問い合わせて、実現に向けて動き出した感じです。JR東海 「貸切車両パッケージ」は2022年12月に本格的に販売を開始したサービスです。新型コロナウイルスの影響により、企業の報奨旅行の中止や社員研修のオンライン開催などの動きがあった一方で、オンラインではなくリアルな接点を求める企業や団体のニーズもあるのではないかと考えました。新幹線車両を号車単位で貸し切ることができ、車内でモニターや音響設備などを使えるオプションメニューも用意していますので、さまざまなオリジナルイベントなどを実施できるサービスになっています。JR東海...
高木 DDTでは過去にも電車やモノレールでプロレスの試合を行ったことがあったので、そうした過去の映像を僕が編集して動画にして資料として送らせていただいたりもしました。ただ、正直なところ実現する可能性は10%程度だと思っていたんです。ですが、JR東海さんとJTBさんが本当に真摯(しんし)に前向きに対応してくださって、きちんと観客を入れて開催できる形にしてくださいました。—— 「走行中に座席回転をしてはいけない」「列車を遅らせてはいけない」「車内を汚してはいけない、汗で濡らすのもNG」など、新幹線ならではのルールが設けられましたが、調整は大変でしたか?JR東海...
高木 今回は使用した16号車以外には普通に新幹線を利用するお客さまも乗車していましたし、通常の電車と違い停車駅も少ないので、万が一トラブルが起きてしまったら対応することも容易ではありません。さまざまなリスクを回避するためには、JR東海さんとJTBさんからいただいたルールに関するリクエストをクリアすることは絶対条件だと思っていました。
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