石井さんは全盲で、ブラインドサッカー元日本代表選手。日本ブラインドサッカー協会創立メンバーで同協会副理事長を04年から8年務めるなど、ブラインドサッカーの普及に尽力した。
石井さんが電車と接触したのは2日午後7時15分ごろ。複数の目撃者によると、石井さんは白杖を持ってホームで電車を待っていたが、山手線の大崎発外回り電車がホームに入る直前、線路に下りたという。現場には転落防止用のホームドアはなかった。警視庁新宿署は当時の状況を調べている。石井さんは病気で28歳だった00年に失明。元々、サッカー好きだったが、02年にブラインドサッカーに出会った。日本代表として活躍し、日本選手権では実行委員長も務めた。日本ブラインドサッカー協会は3日、「常に新しいことにチャレンジし、既存の枠を超えて活躍されていた故人のご冥福をお祈りし、謹んでお知らせ申し上げます」と突然の死を悼んだ。 石井さんのフェイスブックによると、プライベートではキャンディーズのファンで、最後に更新された9月26日のフェイスブックでは「伊藤蘭さん出演のNHK『うたコン』スタジオ観覧に当選して行ってきました!」と報告。会社のホームページでは、キャンディーズの解散40周年記念イベントを代表として開催したとつづっていた。
○…亡くなった石井宏幸さんは、ブラインドサッカーを描いた平山譲氏の小説「サッカーボールの音が聞こえる」の主人公のモデルとなった。小説には、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックが開催される20年に実写映画化する企画があり、18年6月から9月まで製作費を募るクラウドファンディングも行われた。日本障がい者サッカー連盟会長を務める、サッカー元日本代表の北沢豪氏も支援したが、目標の1080万円を大きく下回る148万7000円しか集まらなかった。事務局は7月に、脚本の第1稿完成後、関係者間で脚本の更新、製作体制の構築が続き、進行が遅れていると発表していた。
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