「毎日頑張って仕事はしているけれど、それほど面白いとは思わない」「上に求められているような結果もなかなか出ない」「チームのメンバーを見れば、どこか冷めた印象で仕事をこなしている」「みんなで熱く目標に向かいたいけれど、それも時代錯誤な気がする」こうした悩みを持つリーダーは多いのではないでしょうか。』の著者、岸昌史氏は、「誰でも本当は熱くなりたがっている。リーダーに必要なのは、メンバーが熱くなれる環境を整えることだ」と話します。そしてそれはどんなチームでも再現可能。本稿では、エクセレントチームをつくるためのリーダーシップについて紹介します。以前通っていたデザイン学校では、世界的なインテリアデザイナーによる、「日本のデザインとは何か?」という講義がありました。そこで先生は、「日本のデザインとは“弱さ”と“今”をデザインするものである」と教えてくれました。
“弱さ”とは強さの大局にある概念ではなく、「儚さ、脆さ、微細性」といった、日本の美意識を表すものです。日本の茶道から生まれたとされる、「わび、さび」の概念も、「侘しい、寂しい」といった、何かが足りない状態に美を見出したものです。陶器でも、何かが欠けているからこそ余白が生まれ、そこに人の心が介在します。 20世紀は、“弱さ”を克服し、強い社会に向かった時代でした。経済優先、合理主義的効率化という資本主義社会の思想を土台に、欧米流のグローバリズムが浸透し、物質的な完璧さや絶対的な正解を求めていました。人もモノもサービスも、完璧でなければいけない。それを追い求めた結果、生きづらい世の中になったと感じる人も多いと思います。ホモサピエンスよりもネアンデルタール人のほうが、身体能力も頭脳も優秀だったといわれます。それなのになぜ、ホモサピエンスだけが生き残ることができたのか。
ホモサピエンスは一夫多妻ではないことや、身内での争いを好まなかったといった理由もありますが、2本の足で立ち、両手を使えることが大きかったそうです。作物を両手に持って、仲間のもとへ運ぶことができた。つまり、助け合うことができたわけです。
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