広島・床田寛樹投手(29)が7日の阪神戦(甲子園)で難敵相手にリベンジの快投を演じた。7回1/3で今季チーム先発最多の125球を投げ、7安打無失点の熱投。昨季から3連敗中の村上に投げ勝ち、救援陣にも助けられて3勝目を飾った。9回1イニングを締めた栗林良吏投手(27)が8セーブ目。打線は秋山翔吾外野手(36)が全2得点に絡む2安打1打点と活躍した。
首脳陣に託された8回を投げ切れず、ちょっぴり悔しさが残るマウンドだった。それでも7回1/3で今季チーム先発最多の125球を投げ、7安打無失点に抑える堂々の熱投。昨季からの対戦で3連敗中だった難敵・村上に投げ勝ち、3勝目を挙げた床田は白い歯をのぞかせた。6回3失点と試合をつくりながら、四球から自滅した前回4月30日の反省を生かした。変化球主体の配球を変え、要所では力のある真っすぐや直球軌道の変化球で押した。「手術をする前は、真っすぐに自信があった。今はノラリクラリかわしている感じなので、自信がないです」 今春に漏らした一言が印象深い。2年前の22年夏に右足関節を骨折。以前の直球は確かに150キロを超えた。左腕は、しかし、指先の感覚に優れる。「器用とよく言われる」。剛速球の頻度は減っても宝刀ツーシームやカットボール、奥行きを使う変化球を器用に操り、打者を幻惑する。この日が典型例だ。
8回に2本の安打と四球で1死満塁を招いて降板。新井監督はそれでも「8回は1番・近本から始まるのでいってもらった。もし、佐藤輝まで回ることになったら代えようと決めていた。素晴らしい投球だったと思うね。うん」と称えた。緊迫感にあふれ、見応えある村上との投げ合い。悔しい途中交代であったとしても、神経をすり減らしてゼロを並べた熱投は称賛に値する。甲子園では22年5月10日以来、2年ぶりに勝利を挙げた床田にはもちろん、チームにも大きな1勝となった。 (江尾 卓也)
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