さあ、どんな企業があるのかな…。就職活動先を選ぶとき、商品になじみのある企業に目がいきがちです。しかし、知名度はそれほど高くなくても優良という企業が世間にはたくさんあります。その一例が、いわゆるＢｔｏＢ（ビー・トゥー・ビー）企業です。
２つの「Ｂ」はビジネス（企業、事業）の頭文字。ＢｔｏＢ企業はつまり、他の企業や組織を相手に、素材や部品、事業支援サービスなどを提供する企業を指します。部品や工作機械の製造、プログラミングなどを請け負うＩＴサービス、企業活動を支援するコンサルティングなど。さまざまな業界にＢｔｏＢ企業があります。事業安定の傾向 普段の生活に接点がなくなかなか気づきませんが、ＢｔｏＢ企業には、何千億円もの売上高を誇ったり、特定分野で世界シェアトップだったりする企業もあります。高い技術力とサービスで、日本だけでなく世界のものづくりを支えている企業も少なくなく、就職先として魅力のある企業が多く隠れています。 ほかにも特長があります。ＢｔｏＣに比べて、流行（はや）り廃りの波が穏やかで、比較的事業が安定しています。企業相手なので、１回の取引額は桁違いに高額です。顧客となる企業の担当者との付き合いも長期にわたることが多く、信頼関係を築きながら、技術やサービスで期待に応えていく仕事は、やりがいもありそうです。一方、企業側も採用では苦労が尽きません。知名度が高くないため、応募が集まりにくいのが悩みの種です。最近では、売り手市場を背景に、ＢｔｏＣの人気企業の採用ハードルが下がったことも、ＢｔｏＢ企業に応募が集まりにくいことに拍車をかけています。優良なＢｔｏＢ企業を知る手がかりはさまざまです。過去の就活生の話では、「当初志望していた企業の取引先を調べて知った」「大学のＯＢ・ＯＧから有名ではないが、優良な企業を紹介してもらった」といった例もあれば、「合同企業説明会で知らない企業でも話を聞いてみた」という人もいました。
また、志望業界の展示会に参加したり、業界団体のウェブサイトなどから企業を探したりする方法もあります。少し視野を広げてみると、いろいろな分野で展開している企業は多く、自分に合う就職先を発見できるかもしれません。（キャリタスリサーチ 吉田治）
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