よそ者だから言えること、よそ者でしか言えないことがある。人口問題に詳しい都内シンクタンクの研究員、天野馨南子(かなこ)さんに、高知県の中山間対策を聞いた先日のインタビュー記事。なかなか強烈な一言があった。対策をしていない? いや、むしろ本県は独自の集落活動センターなど、人とお金を投じてきた。前知事なら顔が真っ赤になりそうな指摘だが、天野さんが言いたかったのは、女性雇用が少子化対策につながるデータがあり、それに基づいた施策の重要性。悪意はあるまい。
県も県で言い返せない現実がある。昨年の出生数は初めて4千人を割り全国最少だった。対照的なのは鳥取県。「子育て王国」を名乗って十余年、先進的な取り組みを続け、全国で唯一、増加した。条件が似た両県の明暗の訳を行政のみに求めるわけではないが、どうしても見比べてしまう。それにしても、天野さんの言う通り、行政の対策がずれたことが今の中山間の伸びしろであるのなら…。嘆くべきか、喜ぶべきか迷う話である。
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