5G通信の後継となる5G-Advancedや6Gの検討が進められる中、5Gのおよそ100倍の情報処理量が見込まれている。このため無線基地局とコアネットワークを結ぶ光通信も、伝送量の大容量化が求められている。その一方で光の歪により信号の変調速度に限界が生じ、光1波で伝送可能なデータ容量が限られてしまっていた。また、ネットワーク全体の低消費電力化、CO2排出量の削減なども課題となっていた。
今回の開発において、世界初となる140Gbaudの高速信号を伝送可能とするDSPと、狭線幅波長可変レーザを適用。光受信デバイスや光伝送路に発生する光波長の歪を高精度に補償する独自技術を組み合わせ、1.2Tbpsの大容量を実現。その一方で、従来技術と比較すると、同じ伝送容量で4倍以上の到達距離性能を実現した。 また、富士通のスパコン開発と製造における知見を活かし、世界で初めて光伝送装置に水冷技術を適用。長期運用で不可欠な高信頼性とメンテナンス性を維持しながら冷却効率を高め、伝送容量あたりの消費電力を世界最小となる120mWまで低減。空冷採用装置と比較して本体サイズを3分の1に小型/軽量化を図り、輸送時/破棄時に発生するCO2排出量を削減する。
さらに、機械学習を用いたネットワークモニタ技術を採用し、光ネットワーク構成要素の状況を自動で高精度に捉えて分析。得られた結果を用いて、ネットワーク構築時にDSP変調方式や構成要素を設定に活かすことで消費電力を抑えつつ伝送性能を最大限に引き出したネットワーク構築を実現したとしている。
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