厚生労働省は2023年9月1日、「心理的負荷による精神障害の労災認定基準」を改正。認定基準に「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」(いわゆるカスタマーハラスメント)を追加した。近年、悪質なクレーマー客から被害を受け、「うつ病」などになる人が急増しているからだ。
しゅふJOB総研の調査(2023年9月12日~19日)は、就労志向のある主婦層637人(女性のみ)が回答。まず、「カスハラの被害者になったことがあるか」と聞くと、「何度もある」(22.1%)と「一度はある」(29.5%)を合わせて、半数以上(51.6%)が「ある」と答えた【図表1】。 【図表2】がその結果のグラフだ。これを見ると、カスハラの加害者になった人のうち、被害経験の有無を調べると、被害のあった人(11.8%)のほうがない人(1.5%)より、約8倍(7.9倍)も高いことがわかる。これは、被害を受けたうっぷんを加害者になることで晴らしているのだろうか。 どのようなカスハラ被害を受けているのか。【図表3】がカスハラと感じる行為ランキングのトップ5だ(複数回答)。「大声で怒鳴られたり罵倒される」(74.7%)、「長時間しつこく問いただされる」(72.2%)、「暴言をはかれる」(70.2%)などが上位に並ぶ。「まだ学生の時、接客業のバイトをしていた時に何度も怒鳴られた。当時はなぜあんなに怒るのかがわからなかったし、怒りの内容も理解できなかったが、今思えば、お客が若いバイトを下に見ていいと思われていただけ」(30代:パート/アルバイト)「保険の調査員をしていた時に、お金が絡むので大声で威嚇されたり、言葉尻を取られて謝罪を要求されたりすることがあった。でも、相手の言葉を言葉として心で聞かないようにしていた」(60代:契約社員)
「特にラッシュアワーにレジに入ると、イライラしたお客様からのあたりがキツイです。年末には毎年暴力事件が発生します。お客様のお忙しい時間と、イライラしている方を避けたいのが本音です」(50代:パート/アルバイト)「理不尽な要求など正当性のないカスハラは、もはや犯罪なのでどんどん警察などに通報すべきだと思う。同時にカスハラがあった際に従業員を守ってくれない上司/会社は淘汰されて欲しい」(40代:SOHO/在宅ワーク)「法律で取り締まるほうがいい。監視カメラなどでチェックが必要」(40代:パート/アルバイト)
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