【ワシントン】ジョー・バイデン米大統領は緊迫するウクライナ情勢への対応を巡り、政治家として長年追求してきた同盟国との関係強化により、実際に破滅的な結果を回避できるか試されている。今のところは、就任1年目に暗い影を落とした外交上の失態も免れている。
バイデン氏は北大西洋条約機構（NATO）加盟国の防衛強化に向けて米兵を派遣したほか、ウクライナ国境付近でのロシア軍の動きに関する機密情報を積極的に同盟国と共有している。ウクライナ侵攻に踏み切った場合にはロシアに厳しい経済制裁を科すと脅す戦略について、欧州の同盟国を確実に米国と一枚岩にしておくためだ。ロシアは推定で最大15万人の兵力を配備しており、モスクワから米外交官2人を追放した。バイデン氏は17日、侵略の脅威は「極めて高い」としつつ、外交的な解決策はなお存在するとして期待を示した。 欧州当局者はこれまでバイデン氏の対応を高く評価している。混迷を極めたアフガニスタン駐留米軍撤収で厳しい批判を受けた昨年とは対照的な展開だ。またバイデン氏は昨年、米英豪3カ国の安全保障枠組み「AUKUS（オーカス）」を発表。これに伴い、オーストラリアと原子力潜水艦の開発を巡り合意したことで、豪との従来の合意を破棄されたフランスを激怒させ、関係修復に数カ月を要した。...
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