大量虐殺決めたヴァンゼー会議の真実 映画評7本

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ラインアップ 「ヒトラーのための虐殺会議」「ノースマン 導かれし復讐(ふくしゅう)者」「母の聖戦」「シャドウプレイ【完全版】」「新生ロシア1991」「エンドロールのつづき」「パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女 」ヒトラーのための虐殺会議議事録基にリアルに再現 村山匡一郎(映画評論家)第2次世界大戦下、ナチス・ドイツによるホロコーストで600万人に上るユダヤ人が殺されたという。欧州にはユダヤ人差別が古代からあるとはいえ、ナチス・ドイツによるユダヤ人絶滅計画は何とも忌まわしい。そんなナチス・ドイツが「ユダヤ人問題の最終的解決」を決定したのは、1942年1月20日にベルリン郊外のヴァンゼー湖畔で開かれた「ヴァンゼー会議」である。この会議を描いたものに2001年に米英が共同製作したケネス・ブラナー主演のテレビ映画「謀議」があるが、本作はアドルフ・アイヒマンによって記録された会議の議事録を基に、リアルに描いた再現ドラマである。冒頭に字幕と短いナレーションで説明が入り、会議が開催される国家保安本部のゲストハウスの邸宅に、親衛隊・ナチ党・各省庁の軍人や官僚が次々に到着、最後に国家保安部長官のラインハルト・ハイドリヒが登場する。会議の参加者は記録係のアイヒマンと女性秘書を含めて16名。主催者のハイドリヒの進行で会議が始まり、例えばポーランド総督府次官が自分たちの管轄ではユダヤ人収容がもう手一杯(ていっぱい)だと不満を述べるように、それぞれの部門が管轄する利害と思惑から会議は紛糾するが、ユダヤ人虐殺という前提に誰一人として反対する者がいないことに驚かされる。そんな中、欧州の1100万人のユダヤ人を銃殺する弾薬の浪費と実行の精神的疲労を問う声に、アイヒマンがアウシュビッツなど強制収容所での毒ガスによる大量虐殺の新たな計画を説明。その際、カメラは各人の無表情な顔を大写しにするが、殺戮(さつりく)に無感情になった人間の心の闇を見るようでおぞましい。ドイツのテレビ界などで活躍するマッティ・ゲショネック監督は、ヴァンゼー会議全体を室内劇として固定画面を中心に手堅く演出。音楽を一切排し、俳優たちの役柄に見合った好演もあり、まるで会議に立ち会っているかのように、この歴史的な会議をリアルに淡々と再現している。1時間52分。★★★★ノースマン 導かれし復讐者血泥にまみれた野蛮さ 春日太一(時代劇研究家)こんな映画が観(み)たかった! 終始、魂が震え続け、物語につられて雄叫(おたけ)びを上げそうなほど興奮した。舞台は中世の北欧。王である父(イーサン・ホーク)を叔父に殺され、母(ニコール・キッドマン)を連れ去られた王子・アムレートの復讐(ふくしゅう)の物語が描かれる。といっても、アムレートに「王子」という言葉から連想される気品は全くない。弱々しい少年が成長するとその面影は完全に消え、いきなり筋肉ムキムキの獰猛(どうもう)なヴァイキング戦士になっているのだ。しかも、略奪に進んで加担し、良心の欠片(かけら)も見せない。

「ヒトラーのための虐殺会議」「ノースマン 導かれし復讐(ふくしゅう)者」「母の聖戦」「シャドウプレイ【完全版】」「新生ロシア1991」「エンドロールのつづき」「パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女 」第2次世界大戦下、ナチス・ドイツによるホロコーストで600万人に上るユダヤ人が殺されたという。欧州にはユダヤ人差別が古代からあるとはいえ、ナチス・ドイツによるユダヤ人絶滅計画は何とも忌まわしい。

そんなナチス・ドイツが「ユダヤ人問題の最終的解決」を決定したのは、1942年1月20日にベルリン郊外のヴァンゼー湖畔で開かれた「ヴァンゼー会議」である。この会議を描いたものに2001年に米英が共同製作したケネス・ブラナー主演のテレビ映画「謀議」があるが、本作はアドルフ・アイヒマンによって記録された会議の議事録を基に、リアルに描いた再現ドラマである。会議の参加者は記録係のアイヒマンと女性秘書を含めて16名。主催者のハイドリヒの進行で会議が始まり、例えばポーランド総督府次官が自分たちの管轄ではユダヤ人収容がもう手一杯(ていっぱい)だと不満を述べるように、それぞれの部門が管轄する利害と思惑から会議は紛糾するが、ユダヤ人虐殺という前提に誰一人として反対する者がいないことに驚かされる。

そんな中、欧州の1100万人のユダヤ人を銃殺する弾薬の浪費と実行の精神的疲労を問う声に、アイヒマンがアウシュビッツなど強制収容所での毒ガスによる大量虐殺の新たな計画を説明。その際、カメラは各人の無表情な顔を大写しにするが、殺戮(さつりく)に無感情になった人間の心の闇を見るようでおぞましい。 ドイツのテレビ界などで活躍するマッティ・ゲショネック監督は、ヴァンゼー会議全体を室内劇として固定画面を中心に手堅く演出。音楽を一切排し、俳優たちの役柄に見合った好演もあり、まるで会議に立ち会っているかのように、この歴史的な会議をリアルに淡々と再現している。

 

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