延長11回表、1点を勝ち越したマリナーズは、1死一塁でイチロー(現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が打席に入った。カウント1-1からの3球目、一塁走者のダスティン・アクリーがスタートを切る。スイングの始動に入っていたイチローだが、バットを止めた。その試合でイチローは4安打を放ったのだが、試合後の囲み取材では、〝振らなかった1球〟の話題が続いた。「ムネ(川崎宗則)とも話していたんです。ああいうプレーができるかどうかで、年間で考えると、得点能力が大きく変わってくるっていう話を。まさにそのプレーですよね」追い込まれても構わない?...
盗塁を決めたとき、打席には3番のフレディ・フリーマンがいた。大谷は今季、盗塁増を意識しているので、彼が2番に入ればそうしたケースが多くなりそうだが、その場合、フリーマンに制限が生まれる。3番、4番を打つ打者の中には、「気が散るから、動かないでくれ」と要求する打者もいて、フリーマンならそれを言っても許されるだけの実績もある。しかし、フリーマンに「大谷とそういうやり取りをしたのか」と確認すると、うなずいた。2−0、2−1などヒッティングカウントでも、「こっちのことなんて、気にしなくていい」と伝えたのだという。「不利なカウントになっても、得点圏に行ってくれたほうがいいから」もっともあの日、フリーマンが絶賛したのは、別のプレーだった。初回、先頭のムーキー・ベッツが四球を選び、ワイルドピッチで二進。大谷の内野安打で一、三塁となった。そこで打席に入ったフリーマンは左翼に犠牲フライを打ち上げ、ベッツを迎え入れた。このとき、一塁走者は一、二塁間で待つのがセオリーだが、大谷はタッチアップの構え。左翼手もそれに気づき、本塁での補殺をあきらめて二塁へ送球したが、大谷は二塁を陥れた。フリーマンは、大谷が盗塁し
おそらく、大谷とイチロー、そしてフリーマンは、野球観も近いのではないか。遠くに飛ばす、強い打球を打つ、速い球を投げる。そんな現代の野球とはかけ離れたファンダメンタル。イチローが2019年の引退会見で口にした「考える野球」が短い会話ににじんだ。「ダッグアウトで野球の話をきっちりできるのは、次へつながっていく気がするよね。今まで1人で処理してきたものを共有して何かを生み出す、一緒にゲームに入って、一緒の日にプレーしていると、そういうことが生まれますから」「それは、日本でやってると当たり前のことなんですけど、こちらで日本人が1人でやるときっていうのは、それがないんですよね。これは面白いっていうか、楽しいっていうか、忘れていたものですね。こういう感じがあったよなぁ、昔って」
大谷にとってもあの試合で、〝スタートを切っても振ってこない〟ということを確認できたこと以上に、フリーマンがあのプレーの価値を評価してくれたことに思うところがあったのではないか。山本由伸もドジャースに加わったが、彼はあくまでも投手。野手の中に、自分と同じことを考えている選手がいるという安心感は、心強いはず。同時に、改めて過去6シーズン(コロナ禍で試合数が短縮された20年は除く)で5度も年間100勝を挙げたドジャースの強さを肌で感じたかもしれない。
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