4試合ぶりのマルチ安打は足でもぎ取った。4点リードの8回2死一塁。大谷はボテボテの打球を三塁内野安打にした。初回には左前打を放ち、16試合連続出塁。打率は3割4分1厘に上昇したが、4試合ノーアーチで打率が高水準で推移する一方、好機での沈黙が目立つようになった。2回1死二、三塁、4回2死一、三塁では二ゴロ、7回無死二塁で中飛。3打席連続で初球を打って凡退した。得点圏は2犠飛こそあるが、20打席連続無安打で打率5分3厘(19打数1安打)。ロバーツ監督は「今の彼は走者が得点圏にいる時、いつもよりさらにアグレッシブになっている。あの気性を抑えなければいけない。もっと投手に球を投げ続けさせなければいけない。その話を彼とするよ」と珍しく注文をつけた。
試合前には刺激的な出来事があった。YOSHIKIがピアノ生演奏のため、ドジャースタジアムを初訪問。山本とともに激励を受け、3人で記念撮影した。2人からサイン入りユニホームを贈られたYOSHIKIは、日本で確固たる地位や名声を得ながら、1992年から拠点をロサンゼルスに移し、世界的な音楽家となった。米国で成功する秘けつを問われ、「努力している結果というのはいつか出るんで。努力、努力、努力—。それがメンタルにもつながるんじゃないかなと思ってます」と同じワードを4連発で挙げた。 大谷は日本ハムから18年にエンゼルスへ移籍。当時のメジャー最低年俸54万5000ドル(当時のレートで約6200万円)から二刀流という道なき道を歩み、昨オフ、プロスポーツ史上最高の10年総額7億ドル(約1022億円=契約発表時のレート)でドジャースに移籍した。挑戦と努力で成功をつかんだ足跡は、YOSHIKIに重なる。
松井に並ぶ通算175号を放った12日(同13日)には「アウトになっている打席も(内容が)いいというのが一番個人的には(いい)」と話していた。17日(同18日)のナショナルズ戦は初対戦のアービンが先発。YOSHIKIからのエールも力に変え、新たな扉をこじ開ける。(中村 晃大)
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