発端は、再生可能エネルギーに関する規制見直しを検討する内閣府のタスクフォース(TF)での出来事だ。河野太郎規制改革担当相の肝煎りで発足した「再エネTF」で、「自然エネルギー財団」の大林ミカ事業局長が持ち込んだ資料に、国家電網公司のロゴの透かしが入っているのが発覚した。国の重要課題を議論する会議体などが〝舞台回し〟になる疑惑や事件は、過去にもあった。例えば、昨年1月に発覚した「トライベイキャピタル事件」もそうだろう。当時注目されたのが三浦氏の妻で国際政治学者の瑠麗氏だ。瑠麗氏は政府の「成長戦略会議」民間議員で、農地転用の簡易化など、太陽光事業者に有利な制度改革を提唱していた。また、太陽光発電のメリットを提唱する一方、大規模風力発電のデメリットを主張していたと指摘された。その疑念と似た構図が「透かしロゴ問題」にも見える。エネルギー戦略は国家の存立に直結する重要政策だけに、大林氏を「再エネTF」のメンバーに推した河野氏は、詳細な経緯を国民に説明すべきだ。国会答弁を見ると、河野氏は事態を「軽微」と受け止めているようだ。だが、これほどの事案で、その程度の認識なら、日々、危機管理と直面する「国のト
発端は、再生可能エネルギーに関する規制見直しを検討する内閣府のタスクフォース(TF)での出来事だ。河野太郎規制改革担当相の肝煎りで発足した「再エネTF」で、「自然エネルギー財団」の大林ミカ事業局長が持ち込んだ資料に、国家電網公司のロゴの透かしが入っているのが発覚した。国の重要課題を議論する会議体などが〝舞台回し〟になる疑惑や事件は、過去にもあった。例えば、昨年1月に発覚した「トライベイキャピタル事件」もそうだろう。当時注目されたのが三浦氏の妻で国際政治学者の瑠麗氏だ。瑠麗氏は政府の「成長戦略会議」民間議員で、農地転用の簡易化など、太陽光事業者に有利な制度改革を提唱していた。また、太陽光発電のメリットを提唱する一方、大規模風力発電のデメリットを主張していたと指摘された。その疑念と似た構図が「透かしロゴ問題」にも見える。エネルギー戦略は国家の存立に直結する重要政策だけに、大林氏を「再エネTF」のメンバーに推した河野氏は、詳細な経緯を国民に説明すべきだ。国会答弁を見ると、河野氏は事態を「軽微」と受け止めているようだ。だが、これほどの事案で、その程度の認識なら、日々、危機管理と直面する「国のトップ」に就く資質には、大きな疑問符がつくだろう。(政治ジャーナリスト・安積明子)
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