演歌歌手の坂本冬美(57)が、5月4日放送のテレビ朝日ドラマプレミアム「霊験お初~震える岩~」(後9・00)で女優、ナレーション、主題歌の“三刀流”に挑戦している。重圧も感じた異例の試みだったが「若い方にもぜひご覧いただき、時代劇の面白さを知っていただきたい」と呼びかけている。
宮部みゆき氏の小説「新装版 震える岩 霊験お初捕物控」(講談社)が原作。主演の上白石萌音(26)演じる霊験に目覚めたお初と、SixTONESの京本大我(29)演じる、与力見習いの古沢右京之介とのバディが江戸の町で起きた奇怪な連続殺人の謎に迫る時代劇ミステリー。100年の時を経て繰り返される、悲しき夫婦愛が重要なテーマだ。 昨年、石井ふく子氏(97)プロデュースのTBSドラマ「ひとりぼっち ―人と人をつなぐ愛の物語―」で重要な役に起用されるなど、女優としての評価も高めている坂本。今回は事件解決のヒントを出すキーパーソンで、ドラマオリジナルの尼僧・桜蓮尼(おうれんに)を演じる。 プロデューサーの藤崎絵三氏は「運命の悲しさや時代の愚かさを、坂本さんの慈愛あふれるまなざしで優しく見つめてもらいたかった」と起用理由を説明。尼僧役のオファーに本人は「まさか私が?」と驚き「穏やかで包容力のある懐の深さをさりげなく出さなければ」とプレッシャーも感じたという。それでも、ロケ地の寺の参拝客に、本物の尼僧だと間違われたほどのハマり役に仕上がった。ナレーションは初挑戦で「ドキドキした」と振り返った。
当初は、女優とナレーションの“二刀流”オファーだったが、藤崎氏は「ここまで来たら、ラストは坂本さんの歌声で締めてほしい!」と主題歌も依頼。安全地帯の「恋の予感」を初カバーした坂本は「なるべく重くならないよう心がけながら、若い2人(お初と右京之介)をほほ笑ましく見守るような気持ちで歌わせていただきました」と思いを明かした。“三刀流”で大車輪の活躍を見せる坂本に注目だ。 (山内 健司)
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