国語も「トリセツ」重視? 文章の海は豊かなのに

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「トリセツ」がブームだという。取説――取扱説明書を略した言葉だが、昨今はものごとの扱い方、人との接し方などに当てはめて、なんでも「○○のトリセツ」と言ってみせる。そこにあるのは「説明」と「対策」だ。

そこにあるのは「説明」と「対策」だ。じっくり考えたり余韻に浸ったりするより、すぐに役立つこと、実用的なことに走りがちなのが現代ではある。2022年度から実施される高校の新学習指導要領で、文部科学省は国語の選択科目を「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探求」に再編成した。文章を論理的、実用的なものと、感性や情緒に訴えるものに区別した格好だ。20年度から始まる大学入学共通テストのモデル問題では「駐車場の使用契約書」が登場して話題になった。これを読ませ、貸し手が急な値上げを通告してきた場合にどの条文の、どんな点について質問すべきかを尋ねるものだった。たしかに読解力不足は深刻だが、いささか前のめりではないか。批判が噴出しているのも当然だろう。短歌を1首挙げておこう。「渡らねば明日へは行けぬ暗緑のこの河深きかなしみの河」(小島ゆかり)。たったの31音が、人の胸を強く打つ。「物語」と「非物語」の別はあるにせよ、評論や批評、ルポなどのジャンルは論理的かつ文学的だ。社会学者の清水幾太郎が名著「論文の書き方」で説いた「論文」とは、哲学、思想、文化などの「知的散文」のことだった。教員養成系や人文社会

そこにあるのは「説明」と「対策」だ。じっくり考えたり余韻に浸ったりするより、すぐに役立つこと、実用的なことに走りがちなのが現代ではある。2022年度から実施される高校の新学習指導要領で、文部科学省は国語の選択科目を「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探求」に再編成した。文章を論理的、実用的なものと、感性や情緒に訴えるものに区別した格好だ。20年度から始まる大学入学共通テストのモデル問題では「駐車場の使用契約書」が登場して話題になった。これを読ませ、貸し手が急な値上げを通告してきた場合にどの条文の、どんな点について質問すべきかを尋ねるものだった。たしかに読解力不足は深刻だが、いささか前のめりではないか。批判が噴出しているのも当然だろう。短歌を1首挙げておこう。「渡らねば明日へは行けぬ暗緑のこの河深きかなしみの河」(小島ゆかり)。たったの31音が、人の胸を強く打つ。「物語」と「非物語」の別はあるにせよ、評論や批評、ルポなどのジャンルは論理的かつ文学的だ。社会学者の清水幾太郎が名著「論文の書き方」で説いた「論文」とは、哲学、思想、文化などの「知的散文」のことだった。教員養成系や人文社会科学系の学部について「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換」を促し、「文系つぶし」と批判された。いまの動きと一脈通じていよう。

 

コメントありがとうございます。コメントは審査後に公開されます。

実用性重視一辺倒は良く無いですが、古文漢文を全学生に求めるのも、今の時代には合わないと思います。

THE昭和の頑固オヤジで、何事にも厳しかった父が唯一甘かった事 「本だけはいくらでも買ってあげるから、欲しい本があったら言いなさい」 これは父に感謝したい。 喋りを生業にした今、尚更そう思う。

書籍をゆっくりと読む習慣をつける教育を考慮しながら読解力の向上を目指し目指して教育内容に配慮されることを望みます。

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