元五輪スノーボード男子代表のプロスノーボーダー、国母和宏容疑者（31）が6日、逮捕された。関東信越厚生局麻薬取締部が、米国から国際スピード郵便で大麻を密輸したとして、大麻取締法違反（営利目的輸入）の疑いで同容疑者を逮捕した。輸入に関する事実関係を認めた上で「営利目的は違う」と一部を否認しているという。8位入賞した10年バンクーバー五輪では公式スーツのシャツのすそを出し、ズボンを下げた「腰パン」姿で「反省してま～す」という言動も含め、物議を醸した。五輪に2度出場したスノーボード界のレジェンドが、逮捕された。6日午前に1人で東京・千代田区の麻薬取締部に出頭。逮捕容疑は昨年12月ごろ、知人らと共謀し、営利目的で米国から大麻製品約57グラムを隠した国際スピード郵便を東京都内に発送し、同月31日に成田空港に到着させて密輸した疑い。麻薬取締部によると、成田空港で東京税関が発見。同部が捜査し今年10月、同じ容疑で知人を逮捕し、国母容疑者の関与が浮上した。
国母容疑者は輸入に関する事実関係を認めた上で「営利目的は違う」と一部を否認しているという。捜査関係者によると、大麻製品は茶色の水あめ状で紙に塗り付けられていた。麻薬成分が凝縮されており、乾燥大麻と比べ約2倍の1グラム1万円以上で売買されるという。営利目的で「売人」としての容疑をかけられているようだ。 国母容疑者は北海道出身。2006年トリノ冬季五輪、10年バンクーバー冬季五輪に出場した。バンクーバーでは騒動で“主役”に。公式スーツのシャツのすそを出し、ズボンを下げた「腰パン」姿でバンクーバー入り。これが大きく報じられ、服装の乱れとして大問題に。翌日の入村式を自粛。その後の会見では「反省してま～す」と発言した。1度は全日本スキー連盟が国母の出場辞退を決めて橋本聖子団長（当時、現五輪相）に申し入れたが、直接会談した同団長の判断で、出場辞退は回避。8位に入賞した。
その後は五輪を目指さずプロとしても活躍。全日本スキー連盟の強化スタッフを務めるなどした。五輪男子ハーフパイプ（HP）で2大会連続銀メダルの平野歩夢も、幼い頃から目標とするなど、偉大な存在だった。マネジメント会社の関係者によると、現在は米国を拠点にテレビ出演や競技の支援をしていたという。 全日本スキー連盟の関係者（国母容疑者について） 「14年ソチ五輪以降は連盟の会員登録から外れている。プロ活動も管轄外で、こちらで処分する対象ではない。ただ、オリンピアンでもあり、こちらも知らぬ顔はできない。事実確認をして、どう対応するのか今後協議する。
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