この問題を解決するために不可欠なのが、量子ビットのエラーを訂正する「量子誤り訂正」である。量子誤り訂正では、複数の物理量子ビットを巧みに組み合わせることで、エラーが発生しても情報を失わない仮想的な量子ビットを構築する。
研究者らは、このペンローズ・タイリングの局所的不可識別性が量子誤り訂正でも重要な概念であることに気が付いた。量子誤り訂正符号では、元の量子情報が各物理量子ビットに分散されているため、一部の量子ビットを測定してもどの情報が符号化されているのか特定できない。これはまさに、ペンローズ・タイリングの局所的不可識別性と同じ性質である。 この着想を基に、研究者らはペンローズ・タイリングを量子状態に置き換えることで、新しいタイプの量子誤り訂正符号を構築することに成功。研究者らは、同じタイリングから生成される複数のパターンの量子重ね合わせ状態を考えた。すると、局所的なエラーが発生して一部のタイルが欠けたとしても、どのパターンで埋め合わせれば良いのか分からなくなる。これにより、元の量子情報を守ることができるのである。
ペンローズ・タイリングと量子誤り訂正の意外な関係性は、量子コンピュータの実現に向けた新しい可能性を示唆している。今後の研究では、他の非周期的なタイリングでも同様の性質が成り立つのか、有限サイズのタイリングに変換する方法はあるのかなど、探求すべき課題は多い。また、タイリングの幾何学的性質と量子重力理論との関連性など、より深層の数理的構造の解明も期待される。 Source and Image Credits: Li, Zhi, and Latham Boyle. “The Penrose Tiling is a Quantum Error-Correcting Code.” arXiv preprint arXiv:2311.13040(2023).
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