一昨年度は関西リーグ2位。全国大学選手権は部員に新型コロナウイルスの陽性者が出たため、大会直前に辞退する不運を味わった。練習は毎朝6時45分から始まる。軽い朝練ではなく、本気で体をぶつけ合う。これには、弱点を補おうとする宮本監督の考えがある。
「これまでは(授業後)夕方から夜遅くまで練習をしていたので、ウエート(筋肉トレーニング)の時間が取れていなかったんですね。それでは体が大きくならない。朝にしっかり練習をすることで、夕方は個人練習とウエートに時間を使うことができるので、2部練習にしました」 京都ラグビー祭(5月29日)で対戦した京産大のFW平均体重(先発8人)が102・5キロに対し、同大は94・8キロ。ラインアウトでも京産大の両ロックが身長190センチと186センチに対し、同大は180センチと179センチ。一方で、バックスの走力には光るものがある。 京産大戦は開始1分でWTB芦塚仁(3年=大阪桐蔭)が先制トライを挙げ、同18分にもハーフエライン付近からバックスがつないで加点した。前半に挙げた3本はいずれもバックスのスピードを生かしたもの。京産大を47年率いた大西健元監督も視察し「同志社にあれをやられると、うちは対応できないねえ」と漏らしたほど。19-52の完敗だったが、相手バックスラインのギャップを突く一瞬の判断は大きな魅力だった。「できる、やる。その覚悟が必要。(体が)小さいのだから、相手を動かして勝つ。その覚悟がない。自ら相手の強いところ(FW戦)に行って、相手のペースにはまっている」ある意味で紳士的なスマートな印象の同大に、宮本監督は熱さを植え付けようとしている。それは京産大に敗れた試合後、すぐに選手を集めて訴えかけたことからも、うかがい知ることができる。「悪い意味でいい子ちゃんが多いので、監督は言い続けてくれます。目標は関西1位をとって、日本一につなげる。まだまだ同志社は甘い。やらなきゃいけないことが、たくさんあります」
1980年代に大学選手権を制すること4度。関西の大学ラグビーは、同志社が強くなければ盛り上がらない。名門復活へ。若き新監督の手腕に期待したい。【益子浩一】(ニッカンスポーツ・コム/スポーツコラム「We Love Sports」)
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