吉田直嗣の片口とぐい呑み、民宿とおののどぶろく 白と黒によるモノトーンの端正な片口とぐい呑みは、陶芸家の吉田直嗣によるものだ。吉田は富士山麓に自宅と工房を構え、静かな森のなかで作陶を続ける。自身も日常的に使う器から、大ぶりな花器、時にファインアートを思わせるオブジェまで表現の幅も広い。 吉田の作品はいずれもエッジが薄く、軽やかだ。研ぎ澄まされたシャープな表情が特徴で、片口を使えば液だれはしにくく、ぐい呑みに口を付けると薄さゆえのすっとした飲み口が心地よく、使い勝手にも優れる。 今回紹介する片口とぐい呑みは、吉田が自宅で愛用するものを借りた。このような白と黒のバイカラーをはじめ、鈍い光を放つ鉄釉の黒、なめらかでやさしい白、といった単色のアイテムで知られる。近頃はそこに、薄墨のグレーを使ったアイテムを見ることもできる。...
吉田直嗣の片口とぐい呑み、民宿とおののどぶろく 白と黒によるモノトーンの端正な片口とぐい呑みは、陶芸家の吉田直嗣によるものだ。吉田は富士山麓に自宅と工房を構え、静かな森のなかで作陶を続ける。自身も日常的に使う器から、大ぶりな花器、時にファインアートを思わせるオブジェまで表現の幅も広い。 吉田の作品はいずれもエッジが薄く、軽やかだ。研ぎ澄まされたシャープな表情が特徴で、片口を使えば液だれはしにくく、ぐい呑みに口を付けると薄さゆえのすっとした飲み口が心地よく、使い勝手にも優れる。 今回紹介する片口とぐい呑みは、吉田が自宅で愛用するものを借りた。このような白と黒のバイカラーをはじめ、鈍い光を放つ鉄釉の黒、なめらかでやさしい白、といった単色のアイテムで知られる。近頃はそこに、薄墨のグレーを使ったアイテムを見ることもできる。 色とともに吉田の器をコンテンポラリーなものにするのが、その造形だ。手捻りで成形したもの、轆轤(ろくろ)を使ってフリーハンドで削り込んだものなど、一点一点は抑揚の利いたフォルムが魅力ながら、個展では表現の幅広さに驚かされる。陶芸愛好家に限らず、ファッションやデザイン関係者にファンが多いのも納得だ。 吉田の器で楽しみたいのが、岩手県遠野で自家栽培される無農薬米・遠野1号を使った「とおの どぶろく」。酒蔵でなく、歴史ある民宿が天然の乳酸菌と仕込み水で自家醸造するどぶろくだ。発泡 性が強く、カップの薄い飲み口で切れ口の良さが楽しめる。濾さずに火入れ殺菌もしない、水、米、米麹のみで醸した生の味わいを特徴とする。どぶろく特有のとろみあるボリュームたっぷりな甘味や旨味に加え、シャープな酸味と瑞々しい果実感がある。 これまでのどぶろくにはない現代的な味わいは、やはりシャープな表情の吉田の器と好相性だ。端正な器で楽しむ端正な酒は、初秋とはいえ残暑を感じるいまの季節にこそ楽しみたい。 山田泰巨 1980年生まれ、北海道出身。『商店建築』、『Pen』編集部を経て、2017年に独立。建築やデザイン、アー トなどについて雑誌を中心に寄稿する。 写真・砺波周平 編集・岩田桂視(GQ)
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