季節外れの寒さを、ホットな吉田のバットが吹き飛ばした。初回1死。昨季12勝を挙げた右腕・ガウスマンの初球真っすぐを捉えた打球は、中堅右の自軍ブルペンで弾んだ。先制の6号ソロ。気温9度の中、「直球と落ちる球があると聞いていた。それを1球で仕留められた。ヘッドがうまく走ってくれた」と充実の表情を浮かべた。
継続中の記録ではメジャー最長の14連続試合安打を放つと、2回にはスプリットを右前へ打球速度109マイル(約175キロ)の適時打。4回は左前適時打と巧みなバットコントロールで3方向に打ち分けた。猛打賞は2度目。勢いは止まるどころか、加速の一途をたどった。 打ち出の小づちと化した吉田の打棒に、周囲も驚きを隠せない。リーグトップの11号を放ったスラッガー・ディバースは地元紙の取材に「天才だ。何であんなに打てるのか」と驚嘆。主砲のターナーも「彼は特別な選手。どの方向にも打てる。(彼の)後ろを打つのはとても楽しい」と感心するなど、評価が急上昇している。 右太ももの張りで20打席無安打だった4月18日時点で1割6分7厘だった打率は、わずか2週間でリーグ7位の3割1分7厘にまで一気に浮上。出塁率、長打率、OPS(出塁率+長打率)は全てリーグトップ10入り。各項目で大谷を抜き去った。
吉田のバットに導かれ、チームはブルージェイズに4連戦4連勝。「勢いがある。同地区の4連勝は大きい。連勝を続けられるように頑張ります」。5日(日本時間6日)からは、憧れのハーパーが所属するフィリーズとの3連戦。記録的なヒットパレードはまだまだ続きそうだ。
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