【台北=中村裕】半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)が15日発表した2021年4~6月期決算は、純利益が前年同期比11%増の1343億台湾ドル(約5300億円)だった。売上高は20%増の3721億台湾ドルで四半期ベースで過去最高となった。世界的に需給が逼迫する半導体不足については「年末まで続き、22年にも影響が及ぶ」との見方を示した。4~6月期はスマートフォン向けなどの旺盛な需要が下支えした。純利益は為替差損などが発生し、四半期ベースで過去最高に届かなかった。売上高純利益率は36%と高水準を維持した。魏CEOは「今年の世界の半導体市場(メモリー除く)は17%成長する見込みだ。我が社の今年の売上高も20%以上増える」と予想した。ただ、21年の設備投資は4月に公表した300億米ドル(約3兆3千億円)に据え置いた。7~9月期の売上高は前年同期比14~17%増の146億~149億米ドルと予測した。
米アリゾナ州に建設中の新工場は24年1~3月期に量産を始めるとした。注目される米政府によるTSMCなど半導体業界への補助金関連法案については「米議会上院で可決され、(現在、下院でまだ審議中ではあるが)補助金が承認されることに楽観的だ。米国の政党からも支持が得られると確信している」(劉徳音・董事長)と述べた。
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