10日に92歳で死去した歌人の岡井隆さんは、前衛短歌運動の旗手として戦後の短歌界を牽引(けんいん)してきた。写実に偏りがちな短歌に思想性や社会性を持ち込み、虚構も大胆に詠む。三十一文字の中に英語や口語もふんだんに取り入れる。伝統に立ち向かうそんな反骨心と、特定のイデオロギーに染まらないやわらかな思考を持ち続けた改革者だった。(文化部 海老沢類)
短歌を始めたのは終戦直後の17歳のころ。歌人だった両親のもと、大結社「アララギ」に入会し土屋文明さんの選歌を受けた。慶応大医学部卒業後も医師の傍ら作歌を継続。当初の写実に軸足を置く作風から、政治性や社会性を盛り込む実験精神あふれる歌へと幅を広げ、寺山修司さんや塚本邦雄さんらとともに前衛短歌運動の牽引役となった。「第一芸術は小説や戯曲であり、日本の知性を表現するのに短歌や俳句は邪魔である-。そんな短歌滅亡論がすごい勢いで広がっていた」。平成29年のインタビューで回想していた。「僕たちは『本当にそうか?』と疑問だった。象徴や比喩を多用し虚構も扱えば短歌にももっといろんなことが可能になる。前衛短歌運動は短歌滅亡論に対する反論だったんです」。時折笑顔を浮かべて話すその口調に、反骨心と柔軟な思考がにじみ出ていた。
60年安保闘争で世の中が騒然としていた時期でもある。<渤海のかなた瀕死の白鳥を呼び出しており電話口まで>。そんな収録歌では、中国や旧ソ連を覆っていた左翼思想を「瀕死の白鳥」という比喩で表現。当時の若者に圧倒的な影響を誇っていた思想も理想化せず、「お宅も問題あるんじゃないですか?」と電話口に呼び出して聞く体で、さらりと批判してみせた。<扉(ドア)の向うにぎつしりと明日 扉のこちらにぎつしりと今日、Good night, my...
意味不明 なんで?伝統に立ち向かう必要あるねん アホらし
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