30歳の新人がビッグ・アップル、ニューヨークで堂々の地元デビューを飾った。敵地でのマーリンズ戦でメジャー初登板初勝利を挙げてから中5日。千賀は、自慢の“お化けフォーク”と直球に加え、カットボールやスライダーも駆使した。「対戦が増えれば、フォークボールを振らないように(相手が)考えてきていると思うので、そこに対して幅広くやっていく。直球とフォークだけにならないように、(カット&スライダーが)いいアクセントになったんじゃないか」と胸を張った。
球団オーナーのコーエン氏が見守る“御前試合”。先頭のチザムからいきなり98マイル(約158キロ)の直球で空振り三振を奪った。前回対戦で奪った8三振は全てフォークが決め球で全投球の30%を占めたが、この日は18%と的を絞らせなかった。打者2巡目からは、早めのカウントで勝負。省エネピッチで組み立て「欲しい時にストライクが取れたのは大きい」と手応えを口にした。キャンプで右人さし指付け根に違和感を訴え、オープン戦2試合は、あえてフォークを封印。それ以外の球種だけで組み立てた期間に精度を上げたカットボール&スライダーが実戦で生きた格好だ。スリーボールのカウントからでもカットボールでストライクを取り、「投げたいところに放れたときは、それなりに使える球だと思う」とうなずいた。
4万2306人のチケットが完売した本拠地は、千賀が三振を取るたびにバックスクリーンにお化けのキャラクターが登場。胴体部分がボールのお化けのイラストが描かれたK(三振)ボードも登場するなど、ニューヨークっ子を虜(とりこ)にした。「(お化けの)イメージがつくというのは、非常にありがたい。本当に温かく見守ってくれている気がするし、うれしい。また(Kボードの)マークをたくさん出してもらえるように頑張りたい」と、なおいっそうの活躍を誓った。
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