東京医科大の医学部不正入試を巡り、東京地裁は「入試で不利な扱いを受けた受験生に対し、大学は受験料を返還する義務がある」とする判決を言い渡した。判決は得点操作について、法の下の平等を保障した憲法の趣旨に反すると指摘した。その上で「募集要項で告知せず、密（ひそ）かに行っていたことは違法だ」と述べた。今回の訴訟は、国から認定された特定適格消費者団体の「消費者機構日本」が、受験生に代わって起こした。２０１６年に施行された消費者裁判手続特例法に基づく、初めての訴訟である。東京医大を受験した女子らは、性別などで一律に差別されることを想定していなかった。受験料の返還を求めて今後、訴訟に参加する人は多いのではないか。個人が企業などを相手に、裁判を起こすハードルは高い。この制度を使えば、被害者は勝訴が確定してから訴訟に参加できる。裁判にかける時間や労力が軽減できるメリットは大きい。
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