北米で「ゲーム開発の首都」に成長したモントリオール:成長を支えた「つながり」の価値

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近年の成長にさらなる拍車をかけているゲーム業界を州の一大産業として育ててきたのが、カナダ・モントリオールだ。「Life is Strange(ライフ イズ ストレンジ)」を開発したDONTNODといったスタジオも、初の海外拠点としてモントリオールへの進出した。(アーカイヴ記事)

とはいえ、両手で数えられるくらいの人数しかいない小規模なスタジオにとって、1社だけでゲームビジネスの知見をためたり、ゲーム業界の現状を追ったりすることは非常に難しい。しかし、50スタジオが集まれば追える範囲はずっと広くなる。La Guildeはそうした集合知の考え方から生まれた。

チャンシーは言う。「わたしが経営するManaVoidも、米国のパブリッシャーと初めて契約するときは右も左もわかりませんでした。そんなとき、「La Guildeで『これから契約を結ぶのだけど、これはいい契約だろうか? 何か間違ったことはしていないだろうか?』と聞きながら進めました。こうしてお互いに成長できるのです」「ゲームはそれぞれ、ジャンルもスタイルも、ターゲットとなるプレイヤーも違います。別のゲームが売れたからといって、自分のゲームが売れなくなるわけではありません。そう考えると、競合として出し抜くよりも互いに協力したほうが利益があるのです」。こうした取り組みの一環として、2020年にはケベック州でつくられた50のインディーゲームを集めてのセット販売も実施した。

これは行政に働きかけるうえでも有利だった。ゲーム産業ではどうしても大手企業の声が目立ってしまうが、La Guildeとして声を上げることで行政との話し合いにこぎつけられるようになったのだ。こうした取り組みに大手企業も注目し、いまではLa Guildeは社員4,000人のユービーアイソフトから個人のゲーム開発者まで、モントリオールにあるスタジオの9割をカヴァーするまでに成長している(ただしLa Guildeとして何かを決議する際は、大手であろうと個人のスタジオであろうと1社1票が原則だ)。 こうした横のつながりは、新型コロナウイルスという異例の事態に適応する際も役立った。La Guildeはウェビナーの開催やパネルディスカッションの実施を通じて、外出禁止のなかでのスムーズなゲーム開発の方法や、開発者たちのメンタルヘルスの保ち方、次々と打ち出される政府の救済プログラムのうち、どれがどう役に立ち、今後何が必要かなどを皆で共有したという。

「何よりも素晴らしいのは、全員が利を得ることです。開発者もプレイヤーも、企業も街も、プレイヤーにも利益があります」と、チャンシーは言う。コロナ禍でもモントリオールのゲーム産業を支えたのは、四半世紀にわたって築き上げられたエコシステムと、それに伴って蓄積された知見、それらを生かすべくつくられた人と人をつなぐネットワークなのだ。

 

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