日本国内でもL24を搭載する240Zや、フロントエンドをよりスラントさせたボディ形状にする“Gノーズ”やオーバーフェンダーが標準装備された240ZGが登場するが、当時は5ナンバーと3ナンバーの税額差が大きく、日本国内で販売された車両の多くはL20搭載のモデルであった。
そんなL20エンジンが搭載された1973年式フェアレディZ-Lのオーナーさんに、この愛車を手に入れた経緯を伺ってみると「20年前に、このZを所有していた友人が体を悪くしてしまい手放すというので、自分が引き取ることになったんです」とのこと。ちなみに、元々お持ちだったZは型式で言うと、1973年に後期型へとマイナーチェンジを受けたS31型。そして友人から譲り受けたZもおなじ1973年式ではあったものの、こちらはマイナーチェンジ直前の車体だったためS30型となっている。 S30とS31の違いはというと、大きなところでは排気ガス規制の適合や、ラジエーターサポートの拡大、バックパネルやテールランプの変更、ダッシュボードのデザイン変更などがあるが、一目でS30かS31かを見分けられるのはマニアの領域であり、一般的にはS30もS31も区別なく『エスサンマル』と呼ばれていることが多い。「シンプルなところですね。私がシンプルだと思う部分はエンジンルームなんです。余計なものが一切ついていないところが良いですね。なぜシンプルが良いかというと、自分で何でもできるから。同世代の他の日産車にも触れたことはありますが、初代Zは飛び抜けてシンプルだから、本当に手が入れやすいんですよ」多くの人が魅力として上げるスタイリングの魅力についても伺ってみると「シンプルなエンジンルームは初代Zに乗り始めたキッカケであり、今でも大きな魅力ですが、乗っていくうちに、見た目も魅力的だと思うようになりました」と顔を綻ばせる。「エンジンは3.
続いてエンジンに話題を移すと「こちらはノーマルのままですよ。ひとつ部品を変えてしまうと、それを生かすために他もいじる必要が出てきてしまうので、ノーマルの良い状態を保つようにしています」ということだが、そんなS30のエンジンルームを拝見すると、キャブレターがウェーバーの高性能なものに変更されていた。L型エンジンに組み合わせられるキャブレターは、L型エンジンの三種の神器と言われる『ソレ・タコ・デュアル』の、“ソレ”に当たるソレックス製のキャブレターが有名だ。しかしサーキット走行などを楽しむようなマニアに言わせると話は違ってくるそうで、実際に、市販車でソレックスを採用している車両でもレース仕様はウェーバーを装着しているケースが多かったりするのである。
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