4月18日の阪堺電気軌道の公式発表で、モ161形161号を4月29日から5月5日までの大型連休期間中に通常運行するというリリースがホームページ上などで発表された。『モ161号』は昨年の9月にクラウドファンディングによる修繕が完了し、昨年12月から今年2月末まで通常運用していた際に好評を博したこともあり、今回の期間限定運用が実現したのである。昭和3年製、御年94歳という最古参の車両。近代改修に際してはICカードリーダーなどは装備されていても冷房を装備しない、そのままの姿を大事にするべく改修しているため、現代の酷暑での運用は現実的ではない。また、モ161形は車体の大部分は木材などを使用していることもあるため、紫外線や急な雨など、ダメージを受けやすいリスクのある夏季は基本的に運用されないため、今回の定期運用以降はしばらく車庫で静養し、気候の良い秋頃に運行を再開すると思われる。数か月ぶりの定期運用ということもあり、初夏のゆったりとした雰囲気の中、毎日運用されている姿に鉄道ファンならずとも、沿線民も「こんな早くにまた乗れるとは思わんかって嬉しい」、「懐かしいけど乗り降りの段差がやっぱり高い……」
モ161号の期間限定運用開始間近の4月27日、今度は阪堺電気軌道の公式ホームページやインスタグラムの投稿に、5月5日こどもの日に一日限定で『モ161号』、『モ162号』、『モ164号』、『モ166号』の4両が通常運用されるという投稿があり、まさかのフル出場予告にファンは歓喜した。ちなみにこの日は広島電鉄の路面電車、大正形電車101号が走行する予定が同社の公式ツイッターとインスタグラム等に投稿されたということもあり、大阪と広島どちらに行くべきか、掛け持ちできる方法を思案する方も多かったという声が聞かれた。 当日の大阪は気候もよく絶好の撮影日和となり、有名な撮影スポットには普段では見られないような数の鉄道ファンが全国から多く集まり、大変な盛況ぶりだったことがわかった。周辺住民もいつも以上の人出に初めは困惑していたが、「電車のためにこんな人出は見たことないけど、古いのがいっぺんに出るなら納得」と話されていた。一方で、撮影に夢中になるあまり、車道へ出ての撮影や、電停利用客や歩行者の通行を妨げている場面もあり、「チン電を撮る人らはマナーがよい人が多かったけど少し残念」との話も聞かれたため、鉄道だけでなく撮影する人間として他者へ迷惑にならない行動を常に心がけなければならない。
今回の各車両の運用開始時刻は、阪堺線公式アプリに掲載されていた投稿によれば、『モ161号』は7時55分、『モ162号』は7時58分、『モ164号』は9時45分、『モ166号』は9時43分から運行開始された。電停の天王寺駅前には、手書きでモ161形の発車時刻を記した紙も掲示されており、鉄道ファンたちにはありがたい情報となっていた。 モ161形の各車には、あちこちの電停からファンが多数乗車していたため、連休中の運用で混雑していたうえにさらなる混雑具合となり、また非冷房車ということもあって、ほぼすべての窓を開放している車両も見られた。車内から撮影する人や、吊り掛け駆動という独特の走行音を熱心に録音するファンもいた。『モ161号』は15時57分に通常運行を終了し、車庫に入り、早朝からの運行を終了した。
お疲れ様ですーーーー🚂💨良い一日を☕️
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