八ヶ岳山麓、諸星大二郎『暗黒神話』の地で縄文と諏訪信仰に触れる

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八ヶ岳山麓、諸星大二郎『暗黒神話』の地で縄文と諏訪信仰に触れる ──漫画『暗黒神話』の起点、尖石遺跡で日本人のルーツに触れる 尖石遺跡 諸星大二郎

昨年2月10日に東京湾をスタートして、神奈川県の北端をかすめてから山梨県をひた歩き、15回目の前回、ついに4都県目の長野県に入った。ゴールの日本海まであと一息と言いたいところだが、この長野県が広い。今日一日歩き終えれば、やっと全行程の約半分となる予定である。(1) 日本を東西に分けるフォッサマグナに沿った、地理的に本州のほぼ中央を貫くルートだから。平均的な日本の姿を見るために列島を太平洋から日本海に向けて横断するのなら、単純に真ん中を歩けば良かろうという発想。(3) ルートのほぼ中間地点に、筆者が東京から移住した山荘がある。客観的な見聞に自分の個人的な体験や思いを合わせた方が記事に厚みが出るだろうと考え、ある程度土地勘があるルートを歩きたかった。そこで、今も仕事場がある東京からスタートして移住先の諏訪地方を通過する、何度も車で往復しているこのルートを選んだ。

今回は、八ヶ岳の西側の山麓を南から北に上がり、(3)の白樺湖・車山の少し下にある自宅を目指す。途中のハイライトは、(2)の縄文文化の核心を突く「尖石遺跡」である。この諏訪地域に根付く日本人のルーツに思いを馳せながら、自分が根を下ろす自宅を目指すという、なかなかいい趣向の歩き旅になりそうである。それを完遂するには、これまでで最長の30km弱を歩かなければならない計算だ。そのため、スタート地点(前回のゴール地点)の富士見高原スキー場を、いつもより早く、夜明けとともに出発した。「富士見」と名がつく地名は首都圏はじめ至る所にあるが、今もくっきりと富士山が見える場所は少ない。その点、この長野県富士見町から見る朝焼けの富士山は、町名に恥じない見事な姿であった。スタート地点の標高は1269m。気温は氷点下10度を優に下回っていただろう。自分の生活圏内とはいえ、真冬の早朝の高原を歩くのは酔狂としか言いようがない。それでも、刻一刻と高くなる太陽のぬくもりをじわじわと感じながら、『日本横断徒歩の旅』初の雪道を進んだ。ひねくれ者の僕の悪い癖で、幹線道路を避けて脇道へ脇道へと進むと、いつしか砂利の林道になって

耕作放棄地らしい広い原っぱを過ぎると、薄暗い森の入り口に「稗之底古村址」と書かれた看板が現れた。どうやら、このあたりは、かつて稗之底(ひえのそこ)村という集落だったらしい。看板の手前には旧村域と外界を分ける結界のような縄が張られ、その先には鹿よけの電気柵が張り巡らされていて分け入ることができない。結界の向こうの薄暗い森を恐る恐る覗き込むと、何やら曰くありげな大きな石がぽつんとあるのが見えた。縄文時代から続く巨石信仰の名残りだろうか。あるいは、ただの自然の石か。いずれにせよ、人の暮らしがあった痕跡は見当たらない。看板の説明文によれば、八ヶ岳の直下にあるこの地は極寒で作物が育ちにくく、暮らし向きは非常に厳しかったという。何度も廃村の危機を迎えながらなんとか村は維持されたが、明暦年間(1655-58)についに完全に放棄されたという。旧稗之底村民は少し山を下って、今も富士見町の一地区に数えられる旧立沢村・乙事(おっこと)村に移住。今も旧稗之底村出身者の家系が受け継がれているという。こうして看板を建てるなどして語り継ぐ努力がなされなければ、稗之底村のような歴史の片隅の存在は「なかったこと」になっ

 

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gishigaku ニューズウィークが、諸星大二郎先生を普通に取り上げる日が来るとは。

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