優勝ペアは、コールホフが大会などで見かけた柴原のパワフルなプレーを「自分に合う」と見込み、インスタグラムのダイレクトメッセージで誘って誕生した。面識もなく、柴原は相手をフォローしていなかったため、メッセージに気付かず数日放置。送った側は「数日返事をくれなくて…イエス、と言ってくれた時はとてもうれしかった」と話す。
男子ダブルスで20年全米準優勝の実績があるコールホフは、サーブ力のある柴原を「混合ダブルスでは最もブレイクされることが多い、女子のサービスゲームをキープできるのが重要」と評価していた。狙い通り、この試合5度の柴原サービスゲームを全てキープ。第1セット第7ゲームでは相手の男子選手からフリーポイントを奪い、マッチポイントではど真ん中にエースを決めてみせた。 どちらも本命は男子、女子それぞれのダブルス。ウィンブルドンで再び組むかどうか、柴原は「ウィンブルドンは男子が5セットマッチだから難しいかも。組んでくれたらうれしい。(3セットマッチの)全米はあるかな、と思います」とにっこり。記者会見に同席し、日本語での質疑応答を笑顔で見守っていたコールホフは「まだ先のことは話していないけれど、もう少しプレーできれば」と話した。
◆柴原 瑛菜(しばはら・えな)1998年2月12日、米カリフォルニア生まれ。24歳。7歳でテニスを始め、8歳で全米協会の強化選手に選ばれる。16年全米OPジュニア女子ダブルス優勝。カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)に進学するが、休学し19年1月にプロ転向。同7月に日本国籍を選択した。ツアー大会は、青山修子(近藤乳業)とのペアで女子ダブルス通算8勝。東京五輪は女子複1回戦敗退、混合複8強。175センチ。右利き。両手バックハンド。家族は両親と兄2人。 ◆ウェスリー・コールホフ 1989年4月17日、オランダ・ゼーフェナール生まれ。33歳。父ウリエ氏はサッカー、母はホッケーの元オランダ代表、弟はプロサッカー選手。2008年にプロ転向し、男子ダブルスでツアー通算11勝、22年全米オープン準優勝、世界ランキング11位。右利き。180センチ、78キロ。