ドジャースの大谷翔平投手(29)が8日(日本時間9日)、ツインズ戦で左越えへ3号ソロを放ち、松井秀喜が持つメジャーの日本選手最多175本塁打まであと1本に迫った。前日からクリケット用のバットを打撃練習で使用していることが好調さを加速させ、自己最長を更新する5試合連続マルチ安打と今季初の3安打をマーク。クリケットのバットで練習することは、野球の打撃でどのような効果があるのか。かつて横浜(現DeNA)、広島、西武でプレーし、17年の西武退団後にクリケットに転向。現在は日本代表となった木村昇吾選手(43)に聞いた。(取材構成・柳原 直之)
僕も野球では大谷選手と同じ左打者でした。クリケットではバットの面(ブレード)でボールを打つので、基本的には手首を返すと駄目。入射角と反射角を考えて、平たい面で打ちたい方向に出していきます。おそらく、大谷選手はそれまでの打撃で手首を返すのが早かったのだと思います。開幕から引っ張った打球も多かったですし、クリケットのバットを使って手首を返さずに押し込んでいく感覚を出そうとしたのではないでしょうか。 手首、ヘッドを返さずに「面」で打つのは野球でも至極当然のことです。左打者の場合は走者一塁の時など、進塁打を打つためにあえて手首を返す打ち方もありますが、基本は返さずにセンター、逆方向。ただ、手首を返さないだけだとボールの速さ、強さや外角球などに負けてしまう。最後にグッと押し込むことが必要です。
現在、僕はスリランカのチームで練習しています。レベルの高い海外でプレーしながら、5月には日本最高峰のJPL(ジャパン・プレミア・リーグ)に西関東ハリケーンズの一員で出場予定です。実は大谷選手とはトレーニングするジムが一緒で面識があります。西武時代の16年5月8日には160キロの直球を中前打しました。今はクリケットが追加競技に決定した28年ロサンゼルス五輪の出場を目指しています。大谷選手のいるドジャースの本拠地。縁を感じますね。(クリケット日本代表)
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